効率を無視した時間術

こんにちは、検索迷子です。


時間管理術や、効率化に関する本は多い。
が、その逆を行く、非効率な時間の効用に目を向けた本を読んだ。


夏川賀央(なつかわ・がお)さんの、
『なぜ、仕事ができる人は「効率」を無視するのか? 逆転発想の時間術』だ。

なぜ、仕事ができる人は「効率」を無視するのか?―逆転発想の時間術

なぜ、仕事ができる人は「効率」を無視するのか?―逆転発想の時間術


自分の身の回りに、雑談ばかりしているのに、
仕事のアイデアは豊富とか、
遊んでいる風に見えて押さえるべきところははずさないとか、
そういうタイプの人はいないだろうか。


職種や業種にもよるだろうが、
多くの給与所得者は、他人が決めた目標に向かって、
目先の業務の追われている。
席を立つのもいちいち声をかけたりと、
自由になる時間が就業中には皆無の人もいるだろう。


誰にでもあてはまるとは言いにくいが、
会社だけでなく、個人の時間のなかで、
非効率的な時間が独創性を作ることは可能そうな気がする。


「逆転発想の時間術」の原則


本書は6章からなっていて、それぞれの章末に原則が記載されている。
それを引用していこうと思う。

第1章 仕事ができる人ほど”ムダ”が多い「逆転発想の時間術」の原則


1「効率的に仕事をする」ことで、失われてしまう要素がある。
2「イメージ以外の要素」を拾って「イメージ以上の成果」を出す。
3試行錯誤した分だけ、困ったときの代案や問題解決策を打ち出せる。
4一直線に進んだ人より、回り道をして大きな成功をつかんだ人のほうが多い。
5要領のいい人は、効率やムダを考えずに「自分がやりたいこと」をやっている。

第2章 あえて「時間がかかるやり方」を選ぶ「逆転発想の時間術」の原則


1同僚との雑談、何気なくチェックしている新聞やHPの情報も、仕事に役立っている。
2好きな本を読む、テレビを見る、雑談をすることは、自分のオリジナリティに結び付く。
3「近道の仕事」よりも「寄り道の仕事」の付加価値を生かす
4仕事はレベルアップも成果を生むのも、そのための時間をつくり出せるかどうか。
5「やらなければならないこと」ではなく、「やりたいこと」のために時間をつくる。

第3章 ”ムダ”を生かしてスピードを上げる「逆転発想の時間術」の原則


1仕事に関係ないことも「やる気」が促進されることは、結果的に仕事のスピードを上げる。
2「仕事に入るまでの習慣」をつくって、スタートのモチベーションを高める。
3「期限を設けること」の「期限を設けたことしか考えられなくなる」デメリットに注意。
4イヤな仕事を先に片付けるか、後回しにするかは、自分の”気分”を優先する。
5忙しいときこそ「ボーッとする時間」を積極的につくってみる。

第4章 ”ムダ”が”想定外”のアイディアをつくる「逆転発想の時間術」の原則


1オフィスの椅子に座っているだけでは「有効な情報」も入ってこない。
2「考える機会」を多くつくることで、情報やアイディアN結び付きやすくなる。
3「情報」→「決定」の手順の”試行錯誤”のフィルターを通す
4「思いついたこと」に対して、まず行動を起こしてみる。
5その行動がムダになるかどうかではなく「とにかくやってみる」。

第5章 ”目先の利益”より”将来への種をまく”「逆転発想の時間術」の原則


1人間関係づくりにはムダを承知で積極的に時間を使う。
2「時間対効果」優先で人間関係を考えると、親密な関係は築けない。
3忙しくても部下や同僚に配慮する時間をつくった人は最後にトクをする。
4「どうでもいい仕事」と、軽んじたばかりに、大きなリスクを背負ってしまうことがある。
5「時間は限られたもの」ではなく高リターンの期待できる「投資時間」でもある。

第6章 目標には、寄り道しながら進む「逆転発想の時間術」の原則


1回り道をして目標にたどりついたほうが、最終的に得られる成果が大きくなることもある。
2「目標から逸れてみる」ことが自分の可能性を広げ、選択肢を増やす。
3「効率的なルート」より「ワクワクするルート」が、自分の望むものの方向を向いている。
4「ワクワクする瞬間」には一度立ち止まり、見逃さない。
5予想外のハプニングにも、行き当たりばったりの脱線も、自分の経験として受けとめる。


ここまで読んで、思い当たるフシがありながら実行できてないなとか、
ああ、こういう行動とか思考の人は確かにうまくいっているかも、
といった発見がある。


特に、人を大切にするような仕事をされている人は、
自分の時間を削ってでも、人のために使う時間を重視している。
話を聞いたり、手助けをしたり。
そして、結果的にその人の周りに人が集まっている。


反面、自分のデスクから離れず、
自分の仕事だけしか専念しない人は、
たとえばその会社を辞めた後は、誰からも声がかからない。
スキルが自分個人で閉じてしまっているのだ。


ムダのない生き方がいいと思ったこともあるけど、
私自身は、こうした非効率が生む効率、ということに、
これから注目していきたいなと思う。


ワクワクするような寄り道ができなくなったら、
そんなに退屈な人生はないと思うから。


たとえ、一日のうちにわずかでも、
本書にあるような、ほどよい脱線をしていきたいなと思う。


生きている一つ一つの出来事は、いつか一本の糸として、
自分の核として、必ずつながってくれるのだと思う。


では、また。