人に嫌われない技術(3)

こんにちは、検索迷子です。


内藤誼人(ないとう・よしひと)さんの、
『ぜったい人に嫌われない技術』を読んだ感想の続きです。
人に嫌われない技術(1)
人に嫌われない技術(2)

ぜったい人に嫌われない技術

ぜったい人に嫌われない技術


(1)は、自分の笑顔が相手に影響するということを取り上げ、
(2)は仕事の場面において、よくある状況ではどうすれば嫌われないか、
という点について引用しました。
今日は、心の持ち方や態度について書いてあるところを取り上げます。

嫌悪感を持たれないように


誰しも苦手な人というのはいるだろうが、
自分が相手からみたら、その苦手な人になってしまうことだってある。

大目に見てもらえるのは、一度きりと思え


出会った瞬間に、「ああ、こういう人は生理的に苦手だ……」ということはある。
もしあなたがだれかに迷惑をかけたとして、「いいって、いいって。気にすんなよ」とその人から言ってもらっても、ほっと胸をなでおろしてはいけない。
いい度くらいなら大目に見てもらえるかもしれないが、それに安心して、何度も迷惑をかけていると、相手はあなたを大嫌いになってしまうからである。
(中略)
人に嫌われるのは、”アレルギー反応”と同じような経緯をたどるという。
たとえば、「貧乏ゆすり」や「歯ぎしり」「舌打ち」といった行動は、しばしば小さい行動であるから、相手も最初のうちは気にしない。
ところが、それが頻繁にくり返されるようになると、私たちは、そういう行動をとる人にアレルギーを持つようになる。
(中略)
もち現在、人に嫌われていないのだとしても、安心はできない。
いつなんどき、あなたの言動が相手にとってのアレルゲン(アレルギーを引き起こす対象)になるのか予想がつかないからである。


たしかに、貧乏ゆすりや舌打ちをする人って、意外と多いが、
そのクセを上回る好感があるときは気にならなくても、
あるときから、そばに寄りたくないほど気になることがある。
特に、舌打ちをする人は社会人として下品な行為でとてもアレルギーを感じる。
ということを、他人に自分はしていないか見返したほうがいいですね。

人を愛することから


では、人に好かれるためには何を心がけたらいいのか。

人に好かれるためには、どんな人をも愛せるようになればよい。
あなたが相手を好きになってあげれば、相手もあなたに好意を感じてくれるからだ。
人を愛するためには、身近なところで訓練すればよい。そして、私たちにとって、一番身近な人といえば、家族である。
したがって、まずは家族を愛するところからはじめてみよう。
(中略)
C・ゲオガクリス博士は、父親のことが好きな女子大生ほど、他人に対して甲斐甲斐しく接することができる傾向があるということを発見している。
(中略)
一般に、自分の父親と仲がいい人は、どんな上司とも、目上の取引先の担当者ともうまくやっていけるケースが多い。
反対に、父親を嫌っている人は、上司・目上の人とぶつかる傾向がある。なぜかといえば、潜在意識に眠っている、父親像の投影によって影響を受けるからだ。
(中略)
しょせんは他人である上司や顧客を、心から愛せるわけがないのである。
したがて、そういうハードルの高い人を愛そうとするよりも、最初は身近な人、愛情を感じやすい人に対して、愛情を強めるところからスタートしたほうがいいのだ。

なんとなく、周囲を見回しても納得がいくような気がします。

嫌悪感は見抜かれる


それでも、どうしても受け入れがたい人はいるだろう。
では、どうしたらいいのかというと、相手の短所への見方を変えることが有効のようだ。

嫌悪感を持っていると、確実に見抜かれる


相手に対して嫌悪感を隠すだけではまだ足りない。
なぜなら、あなたが抱いている嫌悪感は、すべて相手にもバレているからである。
自分では気づいていないかもしれないが、あなたが嫌っていることなど、相手は先刻承知しているのである。
あなたが抱いている嫌悪感は、無意識のうちに身体にあらわれる。
それは声のトーンであったり、眉に寄ったシワであって、身体を後ろにそらしたりといった行動にあらわれる。
(中略)
では、どうすれば相手に対する嫌悪感を打ち消せるのかというと、それは思考によってである。
嫌悪を抱いている内容に関して、別の考えをするようにすればいいのだ。

として、相手の気になる点を、全部プラスの言葉の評価に変えるということだ。
たとえば、うるさい人を、よく気がつく人とか、
皮肉屋だと思う人を、分析力がある人とか、というところか。

心理学では、自分の思考をくるくると変化させることを「万華鏡思考」と呼んでいる。万華鏡というのは、くるくると回転させると、そのたびに違った形を見せてくれるものだが、私たちの思考も、くるくると回転させると、違った感情を引き出してくれるのだ。
そもそも、相手への嫌悪感のほどんどは、自分の思い込みだったりするので、こういう転換思考ができるようになると、どんな人に対しても嫌悪感を抱かず、むしろ好意を持って接することができるようになるだろう。

そんなに、簡単なことではないかもしれませんが、
違う角度で人を見るというトレーニングは、確かに必要なことですね。


発想を変える


人に対する見方だけでなく、思考をうまく切り替えていくことは本当に大事だと思う。
それは、自分の能力に対してもいえるようだ。

発想を転換して、好かれる努力をせよ


ないものを嘆いてはいけない。
手に入るものなら、手に入る努力をすればいいのだし、手に入らないのなら、どんなに嘆こうが手に入らないのだから、嘆くだけムダというものである。
(中略)
人に嫌われるタイプは、現状を嘆くばかりで、それをどうにか好転させようという意欲に欠ける人である。自分に足りないものを嘆いていても、現状は何も変わらない。
(中略)
ウィリアム・マッキントッシュ博士は、「お金さえあれば、幸せになれるはず」とか「結婚さえできれば、人生が変わるはず」というように、「○○さえあれば……」という思考をする人ほど、”後悔しがち”なタイプで、精神的に”落ち込みやすい”タイプであることを突き止めている。
ようは、自分の足りないものがいくらあろうが、他の点でカバーすればいいのだ。


それでも、自分の人生に足りないものや、
人から受ける態度に、不公平を感じたらどうするか。

不公平を受け入れ、それを乗り越える努力をせよ


世の中というのは、時として、残酷である。まったく同じ行動をとっていても、ある人はホメられ、ある人は怒られるということもよくある。神さまは、とても不公平な仕打ちを私たちに課してくるのである。
本書では、「こうすれば、まぁ嫌われないだろう」という話を中心に論を進めてきたが、あらんかぎりのテクニックを駆使しても、それでもやっぱり嫌われる人は嫌われてしまうし、何もしていないのに好かれる人は好かれるのだ。
(中略)
もし、あなたが他の人から厳しい対応を受けたり、嫌われたりしても、腐ったり、ひねくれたりしてはいけない。
「まぁ、これも人生だからな」と軽く考え、どうすればそれが改善されるかい頭を働かせよう。
「不公平だ、不公平だ!」などと騒いでいても、現実は変わらない。
大切なのは、不公平が存在することを認識したうえで、それをいかに克服するかに知恵を絞ることなのだ。


最後の項でこの文章が出てきて拍子抜けという気もしましたが、
でも、人と関わっていくということはテクニックだけではダメという点もうなづけます。
かといって最初から努力を放棄するのではなく、
やれることはやり、自分の思考も万華鏡思考のように回転させて、
それでも、自分がどう見えるかは相手に委ねるということなのでしょう。

最後の印象で決まる


嫌われない技術というのは、奥が深いものです。
最後に次の項を紹介して本書の紹介を終わりにします。

最後の印象ですべてが決まってしまう


話を切り上げるタイミングは、大いに盛り上がっているときである。もっとおしゃべりしたい気持ちが高まっていて、「このままお別れするのは名残惜しい」という気分のときが、退散するのに最高のタイミングだといえる。
(中略)
これを心理学では、「ピーク・エンドの法則」と呼んでいる。何事も最後がとても重要なのであって、最後がダメだと、すべてが台なしという法則である。
(中略)
花火大会でもそうだが、最後の最後に、豪勢な花火を矢継ぎ早に打ち上げると、観衆は大満足して家路についてくれる。会話もそうで、最後にまとめて面白い話を集中させ、大いに盛り上げてから帰るようにしよう。


ピーク・エンドの法則は、
仲良くなりたい相手ほどいい手段かもしれませんが、
これができるようになったら、相当、人間関係の上級者でしょうね。


中盤は楽しく話していたけど、最後はなんだかしんみりとした話になり、
なぜか、気持ちが落ち込んでしまう相手というものもいますからね。
大笑いしているうちが去りどき、ということですね。
(1)でも書きましたが、やはり笑いというものが大きいのだと思います。


笑い合える相手、いますか?


では、また。