人に嫌われない技術(1)

こんにちは、検索迷子です。


心理学者の内藤誼人(ないとう・よしひと)さんの、
『ぜったい人に嫌われない技術』を読んだ。

ぜったい人に嫌われない技術

ぜったい人に嫌われない技術


人に嫌われる、ということをあまり意識したことがなかったのだが、
タイトルの一見、ネガティブに思える部分に興味を持った。
好かれる技術ではなく、嫌われない技術とは何かと。

嫌われない技術とは


本書まえがきには、
好かれると積極的に考えなくても、嫌われることを絶対にしないと決めるだけで、
けっこう好かれる、とある。
そして、受験勉強と同じように、人間関係の要点を押さえておけば、
それなりに良好な関係が築けるということが、
内藤さんの言う「嫌われない技術」ということだ。


好かれようと無理をするより、ソツなく人とつきあえば十分と、
嫌われなければいいと、開き直った思考で行動すれば疲れることもない、
ということのようだ。
確かに好かれようとがんばるよりは、精神的負担は軽い気がする。


本書は、嫌われない人の処世術、仕事術、会話術、
思考法、行動術、演出術と章が分かれており、
それぞれに、どういう行動や態度をとるか説明されていて、
その内容を裏付ける論文などが引用されている。


こうした、行動や思考をこう変えればいいという書籍は数あるが、
エピソードは一見普通の体験談っぽく見えても、
本書では心理学のデータに裏打ちされた紹介となっている。
巻末には引用文献の一覧もあり、どのエッセンスも納得感がある。

カラ元気や笑顔の影響


本書内で、笑顔の効果を記述した箇所が多くあった。
それだけ、コミュニケーションには必須のことなのだと思った。
笑いたいときだけ笑うというのではなく、意図的に笑顔を作るって、
本当にたいせつなことだと思わされた。

カラ元気も立派な元気


元気がないときこそ、元気がありあまっているように振る舞うことが大切だ。
(中略)
あなたが落ち込んでいると、周囲の人まで暗い気分にさせてしまう。
心理学では、これを「ムードの感染」と呼んでいる。
ドイツの南部バイエルン州にあるビュルツブルク大学の心理学者ロランド・ノイマン博士は、私たちは、悲しい声を聞いていると、自分も悲しくなってきて、楽しそうな声を聞いていると、自分も楽しくなるという現象を発見した。

というように、導入エピソードは自分たちがよく知っている状態の話から始まり、
裏づけデータを提示するという書き方をされている。
ふむふむと思って引き寄せられる。

笑顔は最高のコミュニケーション


私たちの心理的ムードというものは、自分がどんな表情をしているかによって影響を受ける。
笑顔をつくっていると、楽しい気分になっていくし、眉にシワを寄せて不機嫌そうな顔をしていれば、知らぬ間に不機嫌な気持ちになっていくものである。
(中略)
あなたが笑顔をつくって、楽しい気分になっていれば、それにつられて相手も楽しい気分になっていくのである。笑顔には、相手の笑顔を引き出す効果があるからである。
これを「表情の返報性」という。

として、笑顔で人に近づいていくと、約65パーセントが笑顔を返してくれるが、
無表情で近づいた場合は、同じ65パーセントが無表情を返してきたとデータを提示している。

30分おきに大笑いできない人とは、関係を打ちきれ


相手との関係がうまくいっているかどうかを、簡単にテストできる方法がある。
(中略)
それは”笑いの量”だ。
あなたと相手が、一緒にどれくらい笑うのかということは、その関係がうまくいっているかどうかを推測するための、もっとも確実な方法である。
人間関係が円満で、お互いに好印象を持っているのなら、二人ともよく笑う。
逆に、人間関係に陰りが見えはじめたとき、真っ先に消えるのが笑いである。
(中略)
人と会うときは、「お互いに楽しい気分になれるか」という点がきわめて重要であり、そのポイントはつねに考えておく必要がある。一緒にいてつまらない人は、もう自分とは縁がなかったのだと、思いきろう。


笑顔一つとっても、思い当たるフシがあることばかりで、
表情が相手に与える影響って大きいのだと改めて思わされた。
自分の感情をむき出しのままでいても、いい人間関係は築かれない。
もうちょっと、笑顔を意識しようと思う。


今日は、笑顔に着目して引用しましたが、
他にも気になる内容があったため、続きはまた後日書きます。


では、また。