こんにちは、検索迷子です。
茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)さんの『脳を活かす仕事術−「わかる」を「できる」に変える』の感想の続きを書きます。
過去4回書いていて、感想というよりは、
印象深いフレーズを残しておきたいという内容になってきました。
脳を活かす仕事術(1)
脳を活かす仕事術(2)
脳を活かす仕事術(3)
脳を活かす仕事術(4)
- 作者: 茂木健一郎
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- 発売日: 2008/09/10
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アイデアの出し方
アイデアをどう出すか、どうやって創造性を膨らませるかについて、
日本は独自の考え方をするのだということがわかった。
ヨーロッパでは、かつて詩は一部の天才がインスピレーションにかられて書くものだとされてきました。それは「インスピレーションは、神によって授けられるもの」と考えられていたからです。すなわち、詩は人間だ生み出すものではなく、神が人間の口を借りて語るものだったわけです。
しかし、日本の場合は違います。日本における詩、つまり「うた」は、身分や性別、境遇にかかわらず、誰もが生み出せるものとして扱われてきました。
(中略)
句会にしろ連歌会にしろ、「誰もがひらめきを得られれば、うたを”創造”できる」という前提があって初めて成立するものです。
つまり、日本では、想像とは「みんなが少しずつ知恵を出し合って起こすもの」と捉えているところがあるのです。
たしかに、知恵を出し合うことによって、シナジー効果が生まれることってありますね。
創造性が発揮される瞬間
創造性が発揮される瞬間とは、記憶メカニズムの応用編らしいです。
前頭葉と側頭葉がアイデア会議をさせることが大切みたいです。
人間は外部からの情報を受け取った時、それを記憶として脳の側頭葉に蓄えていきます。第2章でも述べましたが、脳に入力された情報や記憶は、運動系の出力を経て「意味付け」をされて初めて、他の状況などに応用可能な「経験」となります。そして、側頭葉に蓄えられている「経験」が、意識を司る前頭葉の方針に従って編集される時、新しいものが生み出されます。つまり「経験」という要素がないと創造性は発揮できないのです。
そして、次に大切なのは「意欲」だとしています。
脳の中で、「これをやりたい」や「これがいい」といった意欲や価値判断を司っているのは前頭葉です。
アイデアが必要になった時、まず前頭葉が側頭葉に「こういうものが欲しいんだけど、何か役立ちそうな経験はない?」とリクエストを送ります。すると、側頭葉は一番近いものを出そうと、組み合わせや結びつきを変えたりと、試行錯誤を重ねます。そして、様々な記憶の中から、「これはどうですか?」「こっちは?」と、次から次へと前頭葉に送っていきます。
こうやって、脳の中で、前頭葉と側頭葉がやりとりしているのですね。
経験が意欲につながる
意欲がどう生まれるのか、ということについては次のように書いています。
意欲とは、たとえていうなら「川の流れ」のようなものです。
川の下流域が、表層い現れる意欲だと考えてください。下流域がどのくらいの勢いで流れるか−−つまりその流量は、上流域の水源で発生する水量とエネルギー量で決まります。
この上流域でエネルギーの源泉となるものは何か。それは様々なものがあります。しかし、一番大きいのは「感動する」という体験ではないでしょうか。本物に触れて感動した時、僕たちは「自分もこれをやりたい!」「もっといいものを見たい!」といった、強い意欲が沸き上がってくるのを感じます。ですから、上流域のエネルギー量を増やすためには、「いいものをたくさん見聞きする」ことが大切なのです。
そして、エネルギーの源泉となるものには、ネガティブな感情や怒りもあるが、
こうしたものは、方向性を見失ってしまう可能性があるとしています。
感情は、ほとんど「経験」をもとに生まれてきて、
意欲も「経験」から出てくることが多いそうです。
経験と意欲がつながっているとは、意識したことがありませんでしたが、
確かにそうだと思うことはいくつもあります。
何かを成し遂げたいと前向きな気持ちになるときも、
悔しさといった負の思いをパワーに変えようとするときも、
そのベースとなるものは、自分の経験だったのだと改めて気づきました。
だからこそ、いい経験を積まないといけないのだと、
本物やいいものに触れて、感動する体験をたくさんして、
ポジティブに物事をとらえたり、実現したいと意欲をかきたてたりすることが、
何よりも大切なのだと思いました。
いい経験をしていないと、高い意欲もわかないのだいう発見は、
もっと前向きに生きようという気持ちになりますね。
世の中の負の部分を見ていても、何も創造性に結びつかないのだと。
感動できるような時間を、たくさん自分に経験させたいと思いました。
そして、その感動を、何かを想像する意欲に転化させていきたいものです。
では、また。