脳を活かす仕事術(3)

こんにちは、検索迷子です。


茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)さんの『脳を活かす仕事術−「わかる」を「できる」に変える』の感想の続きを今日も書こうと思います。
脳を活かす仕事術(1)
脳を活かす仕事術(2)

脳を活かす仕事術

脳を活かす仕事術


ブログによるデブリーフィング効果


茂木さんが、ご自身のブログ「クオリア日記」を書くことについて、
語っているところがある。
茂木さんは毎朝、前日に出会った人から学んだことや、頭に浮かんだアイデアを書いているという。


ブログを書いている人は、多かれ少なかれ、
ブログを書く意味というものを考えたことがあると思うので、
参考になる考え方となりそうだ。

宇宙飛行士が宇宙から帰還した時、「こういうことがあった」と体験を報告することを「デブリーフィング」といいます。本来は軍隊などで使われた用語で、前線からの帰還兵に、その任務の遂行状況や戦況を報告させることを指します。いまは、事故や災害に遭って精神的な外傷を受けた人や、宇宙飛行などの困難な任務を達成した時に、感情の発散や経験の再構成をさせ、トラウマや心理的後遺症を残さないために行われることがあります。
僕の場合は心理的外傷のケアではなく、自分の経験をちゃんとした「意味」として保存しておくために、ブログを書いています。第1章でも述べたように、人間の記憶は、出力を通して整理され、意味という抽象概念化を通して初めて「経験」という、応用可能なものに変化します。一つはその効果を狙ったものです。
なぜ、当日に書かずに、翌朝書くのか。それは、夜寝ている間に脳が無意識のうちに前日の体験を整理し、朝起きた時には体験の意味がより熟成されていることが多いからです。


ブログを書く時間帯にも意味があるのですね。


人が成長するきっかけは、背伸び


そして、続けてもう一つのブログを書く意味について、書いている。

さて、ブログを書くもう一つの意味は、出力することで経験の意味を捉え直し、自分の人生を再構成することにあります。つまり「クオリア日記」は「自分の人生のデブリーフィング」でもあるのです。
実は、ブログを書くという行為は、自分の行動を変えるのに最も適したツールの一つです。

として、自分の考えや、読書傾向などを公開することによる、背伸びの効果を書いています。

僕は、人が成長する時のきっかけは「背伸び」だと考えています。そして、背伸びをする時に欠かせないのが、他人の目です。そういう意味では、ブログは究極の「背伸びマシン」といえるでしょう。


学生さんへの論文指導もこの方法によって、
ネットで公開されるプレッシャーをかけることで質があがってきたようです。
また、茂木さんご自身も、英語で本を出すという目標のために、
自分の行動を変えて、少し背伸びをした取り組みとして英語で文章を書く、
ということをしているそうです。



自分を鍛えるためには、ただ形に残すだけでなく、
その形の残し方すらも、背伸びをした方法を取り込むことにより、
よりデブリーフィング効果が高まるということです。


確かにブログを書いていて、
読ませる文章を書くという緊張感はあります。
たとえそれがわずかなアクセスであっても、公開していることに、
多少は背伸びをしている自分も感じることがあります。


でも、もしかしたら、私のように匿名で書き続けていたら、
その効果は半減してしまうのかもと思ったりします。
ネット上に存在はするけれど、自分個人とはリンクしないという、
わずかな逃げ道があるのかもと思ったりして。


もしかしたら、ごく少数に公開される場でもいいから、
匿名ではなく、本名で書くということが、
本当の意味での成長になるのかもしれないですね。
ちょっと雑な内容を書いたりしたあとは、
気持ちも晴れやかではないのですが、それでも、責任も軽い気がします。


自分の人生を再構成する意味があるブログになるには、
かなり遠いところに自分はいるような気がします。
自分のためには、小さくトレーニングにはなっていますが、
大きくジャンプできそうな気はあまりしないですね。
ちょっと閉じた世界でやっているような感じです。


本気で大きく背伸びをするなら、
やっぱりもっとプレッシャーをかけたほうがいいのかなと、
この本を読みながら改めて考えたのでした。


では、また。