こんにちは、検索迷子です。
以前、知的財産管理技能検定3級を受検してきたという話を書きましたが、
先日、このとき学んだことをもとに、他の人に勉強会をする機会がありました。
知的財産について、どれくらいの人が体系立てて学んでいたのか、
職歴が違う人ばかりだったので気になっていましたが、
自分が想像したとおり、なんとなく研修で学んだとか、
常識の範囲で理解しているといった声が多かったようです。
ただ、自分もそうであったように、部分的に解釈が違っていたり、
本当はやってはいけないことを、組織では慣習的に許容していたりと、
判断基準があいまいなゆえに、他人の権利侵害になりかねないことも、
知らずにやってしまっているようです。
そこで、あらためて知的財産について一から学ぼうと思う人に向けて、
参考になりそうな書籍やサイトなどについて少し触れようと思います。
知的財産管理の初歩を学ぶ本
『合格へのバイブル 知的財産管理技能検定3級 完全対策講座改訂版』
土生哲也著、日経BP社。
- 作者: 土生哲也,日経デザイン,加藤文明社
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/05/07
- メディア: 単行本
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これは、私自身が実際に受検対策として利用した本です。
私はこの一冊で十分に理解を深めることができました。
ただし、試験の対策として読むなら、
個人の職業経験によっては他のテキストと併用したほうがいいかもしれません。
理由としては、この検定試験はまだ回数が7回目と、
過去問の事例や傾向分析があまりされているとは言えません。
実際に、このテキストを通読してみて、
丸暗記していれば解けたという問題はありませんでした。
あくまでも、基本的な考え方の整理を補助してくれるテキストだと思います。
他のテキストも同様なのではないかと想像しています。
いくつか他の資格試験などを受けてきて今回は、
過去問の丸暗記みたいなことが通用しないと実感しました。
そのため、いかに法律の解釈を正しく理解しているかということと、
仕事を通して実感を持てる事例があるか、ということがポイントになると思いました。
そのため、受検対策と、業務上での利用のため知識を深めるのとは、
少し学び方が違うかもしれません。
私自身は、仮に試験を受けなかったとしても、この本は仕事に役立てるために、
有用な知識を得られたという満足感がありました。
一般の新書では次の本が比較的読みやすいと思います。
『そのブログ! 「法律違反」です 知らなかったではすまない知的財産権のルール』
前岨博(まえそ・ひろし)、早坂昌彦、石塚秀俊著、ソフトバンク新書。
- 作者: 早坂昌彦,石塚秀俊,前岨博
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2008/02/16
- メディア: 新書
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この本は、Q&A形式で、
事例に対して、こういう判断でいいのかということを40点ほど紹介しています。
タイトルは、ブログに特化したような印象ですが、
内容としては、一般的な知的財産に関する点も多く、
ネットに限定したものではないものも多数あります。
そのため、たとえばブログをビジネスで使っている人などは、
物足りない点もあるかもしれませんが、
知的財産全般を軽く知っておきたいという導入の本としては、
分量的にも読みやすいと思います。
私は実際にテキストを一冊終えて、試験が終わった後に、
理解力をチェックするためにこの本を読みましたが、
知的財産管理技能検定3級の勉強をした後だと、
わりとすらすら読めて、内容の理解も深まりました。
本から先に読むのもいいでしょうが、
事例に対する答えの理由となる法律とか、考え方を理解できてから読むと、
もっと納得できるものとなりました。
参考となるサイト
これも試験が終わってからチェックをしたものですが、
用途に合わせて使うといいと思います。
知的財産権制度とは?ー 特許庁
しっかり学びたい人はここで正しい知識を得てくださいね。
Wikipedia - 知的財産権
全体をなんとなく把握するには適していますが、
用語がわからない人はかえって難しいかもしれません。
Yahoo!オークション 知的財産権護ガイド
これは、実例を通して学べるサイトで、イラストを使ったクイズ形式で、
取り組みやすいと思います。
試験対策には直結しませんが、取引における知的財産が何か、
他人の権利侵害をしないためにはという意識を高めるにはいいと思いました。
こういうときはどう考えるのという実例として、すぐに理解ができるでしょう。
私自身もさらに勉強が必要なので、
知的財産に関することでまた何か書ける題材があったら、
いずれご紹介できればと思います。
勉強会をしたといっても、ほぼ初心者ばかりの場だったため、
準備をした資料などもまだまだ稚拙で、説明するのも難しいなと思いました。
企業研修を受けた人の話を聞いても、わりとさらりと簡単に紹介された、
ということだったので、いい研修資料は意外と少ないのかもしれないですね。
日本における知的財産管理の取り組みや、法律が制定されてまだ年月が浅いため、
知的財産の知識の普及や、積極的な活用のされかたも今後の課題なのでしょう。
日本における知的財産政策
2002年11月 - 知的財産基本法成立
2003年 3月 - 知的財産基本法施行・知的財産戦略本部発足
2003年 4月 - 関税定率法改正・知的財産権侵害品の取締強化
2004年 6月 - 知的財産高等裁判所設置法、裁判所法等の一部を改正する法律成立
2005年 4月 - 知的財産高等裁判所設立
知的財産の範囲である、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権や、
関連法律である不正競争防止法、独占禁止法などの関係を、
簡単にでもいいからまず知ってみたいという方に、
今日書いたことが参考になることがあるといいのですが。
では、また。