目的と目標と手段

こんにちは、検索迷子です。


よく、目的と手段を間違えないように、という言い方をする。
これはどういうことなんだろうと、数人と話題になった。


そして、そういえば、目的と目標ってどう違うんだっけ?と、
議論をしながら改めて、誰もが立ち止まった。
そんなに厳密に使い分けてこなかったなと思った。


この言葉を少し整理して、
具体的にどうやって考えればいいのだろうと思った。

Yahoo!辞書 - 目的

もく‐てき【目的】
1 実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。「当初の―を達成する」「―にかなう」「旅行の―」

倫理学で、理性ないし意志が、行為に先だって行為を規定し、方向づけるもの。

[用法] 目的・目標――「目的(目標)に向かって着実に進む」のように、めざすものの意では相通じて用いられる。◇「目的」は、「目標」に比べ抽象的で長期にわたる目あてであり、内容に重点を置いて使う。「人生の目的を立身出世に置く」◇「目標」は、目ざす地点・数値・数量などに重点があり、「目標は前方三〇〇〇メートルの丘の上」「今週の売り上げ目標」のようにより具体的である。


目的とは、抽象的なもので、目標の先にある、ということが、
今更ながらわかり、ちょっとすっきりした。


たとえば、
幸せに暮らすということが、人生の目的ならば、
目標は、そのためにいい仕事に就くとか、何かを所有することを目指すとか、
もっと具体的なことなのだ。


そして、手段はその目標を実現するために、
どうやって行動するかなのかなと思う。



インターネットのサイトを作るというシーンに携わってきて、
同じプロジェクトで仕事をしていても、この見解の違いにより、
ものすごく意思統一に苦労することがある。


サイトを作る目的は、本来なら、利用してくれる人の便利さや楽しさ、
ライフスタイルの提案だったりして、
インターネットの世界と実際の生活シーンをつなげていくことにある。


でも、作り手はそれを見失う。
サイトを作るというスケジュールに縛られ、
儲けるといった仕組みにこだわり、
どの機能を盛り込むといった手法にとらわれ、
いくらかかるのかといった調整に追われる。


目的と手段を混在させて、もはや目的を見失って、
作る手段、作るという目標にだけに目がくらみ、混沌としていく。


目的はなんだったんだっけ、といつだって立ち返る勇気が欲しいと思う。
作るために作っているのではない。
誰かの幸せのために、その幸せに役立ててもらうために、
今これを作っているのだと、いつだって見失わないようにしていたい。


目的と目標と手段を間違えるプロジェクトは、やがて破綻していく。
そして、サイトを仕上げて作ることはできたとしても、
そのサイトは、次なる目標は課金だったり、ページビュー稼ぎだったり、
広告収入だったりと、本来の目的とは、また乖離していく。


インターネット上に新しいサイトを作ることは、
今は、どんな組織だって、どんなプロジェクトだって、
お金と時間をかければできる。


でも、目的を見失わないで、
手段に流されないで、
目標ばかりに追われないで、
人の心に届くサービスはいったいどれだけあるだろうか。


Webサイトは星の数だけある。
でも、このサイトの目的はと胸を張って語ってくれるところは、
さて、どれだけあるのだろうか。


サイトはただ作れば人が集まるわけではない。
情報を羅列したり、適当なリンク集にしたところで、
そんな嘘っぽいものは、すぐに見抜かれてしまう。


せめて目的をはっきりとさせて、
何を目指しているのか、その思いだけでも伝えきれないと、
誰も寄り付かない。


目的と目標と手段を、ぐちゃぐちゃに考えないよう、
どれも丁寧に、整理しながら、見失わないようにしたいと思う。



目標とか手段は、いくらでも見直せる。
でも、目的があいまいだったら、どこにも行けない。


何に向かって、何を目的として進んでいきたいのだろう。
それを問い続けたいと思うし、
間違えたくないと思う。



では、また。