こんにちは、検索迷子です。
たぶん、かもしれない、という言い方の英語の表現を見て、
実際の意味と違う訳をしてしまうことは多いなと思う。
語彙力の不足もあるが、ニュアンスの想像力や、
実践で使っていないせいなのだろうか。
次のような表現に出会って、
同じ間違いをするなと思った一節がある。
『英語の発想がよくわかる表現50』行方昭夫(なめかた・あきお)著で見た、「かもしれない、たぶん」の表現についてだ。
- 作者: 行方昭夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/04/20
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
明日はどうなっているか?
1.Maybe,perhapsとProbably
日本人英語について有益な助言を続けているマーク・ピーターセン氏は、『英語の壁』という本のなかで、
Don't tell me to wait till tomorrow.
Who knows what might happen tomorrow?
Maybe we'll die tomorrow.
と続く3文の最後の1文を、すべての日本人学生が「私たちは、明日たぶん死ぬでしょう」と訳して、何の疑問も抱かないのに驚いた、と言っています。氏によれば「maybe=たぶん」と長年教えられてきたので、いくらそれは大きな誤りであり、正しくは「かもしれない」だと説いても、受け入れない、と半ばあきらめています。
maybeはアメリカでより多く用いられていますが、確かに「たぶん」より「かもしれない」と覚えるほうが当てはまる率が高いと思います。イギリス人はmaybeも使うけれど、同じ意味でperhapsをよく使います。
- 作者: マーク・ピーターセン
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/07/19
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
として、正しい意味を追加しています。
Maybe we'll die tomorrow.
ひょっとすると明日死ぬかもしれない。
この訳を間違えたら、先の3文はまるで違って読めますね。
たぶん、かもしれないの表現
どうやって使い分けるかについて、さらに補足があります。
確実・不確実性をあらわす副詞の比較を解説している英和辞典が最近は多くなってきていますので、ここでは『フェイバリット英和辞典』のperhapsにある解説を引用します。
Certainly 90%以上確実
Absolutely,Necessarily,Probably 50〜90%
Perhaps,Maybe.Possibly 50%以下
Never 0%
いうまでもなく、これはおおよそのことです。コンテクスト、発音の仕方によっても変わるのですけれど、一応の目安になるので、覚えておくとよいと思います。
たぶん、かもしれない、
そういう言葉を未来へと可能性をつなぐ希望のフレーズとして、
使うこともあるから注意が必要ですね。
特に人に、何か聞かれて答えるときは。
例としてあったのが、
大学受験に際して、指導の先生から"Perhaps you will pass the entrance exam."と言われたら、ほっとしますか、がっかりしますか? がっかりですね。
もちろん、"Certainly/Surely you will succeed."と言われたら、安心していいですけれど、"Probably you will succeed."でも、まずは合格圏に入っているという保証ですよ。
たぶん、かもしれないと使うときは、
ちょっと突き放したような気持ちになることもあるが、
それは、使い方によっては、希望を壊しかねないし、
希望の光をより強くすることもできるのだと思う。
英語、日本語問わず、
かもしれないというとき、一瞬考えてみようと思った。
では、また。