こんにちは、検索迷子です。
Googleに魅力を感じる人は多い。
では、Googleのいったい何に惹かれているのだろう?
技術力の高さなのか、生み出すサービスなのか、
企業風土なのか、遊び心なのか、
人によって好きなGoogleの側面は違うかもしれない。
『Googleの全貌 −そのサービス戦略と技術』日経コンピュータ編を読んだ。
- 作者: 日経コンピュータ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/12/10
- メディア: 単行本
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進化の早いGoogleにとって、一年近く前の本はもはや遠い過去かもしれない。
でも、あえて少し経過してから読むことで、見えてくるものもある。
あの技術はこうして生まれたのか、
あのサービスはこういうことだったのかと、
公開当初の熱狂的なメディアによる記事とは違い、
時間が経ったからこそ見えてくるサービスの進化というものがある。
公開当初の評判ではなく、
時間経過に任せた、定着度合いを観察するのに適していることがある。
新サービスは、情報に敏感な人やITスキルが高い人はすぐに試すが、
そうでない多くの一般の利用者は、静観しているものがある。
でも、何かをきっかけに使い出すと意外にもその便利さがわかり、
いつのまにかごく普通に使っていたりする。
そういう、自然の流れに任せた浸透度合いがわかったりするのだ。
ストリートビューの不快と隣り合わせの便利さ
本書の「第7章グーグルの課題−競合から社会、法律まで」では、
「「StreetView騒動」が与えたインパクト」の節がある。
多くの自治体が、プライバシーへの配慮を求めて総務省に意見書を提出するという、
社会を巻き込んだサービスとなった。
この部分を読んでいて気づいたのが、
私も公開当初、このサービスは怖いと思っていた。
自宅を検索して、本当に見えているんだと知ったとき、嫌だなと思った。
ところが、自分が検索される側であれば嫌な思いをするものでも、
気づいたら今はそれを使って、活用している自分がいる。
たとえば、初めて訪問する先のビルを確認するのに、ちょうどいいのだ。
企業ページでは地図や、フロア風景があったりするが、
実は、初訪問の場所のときに知りたいのは外観なのだ。
特にテナントが多く入っているビルの場合、
あるいは商業ビルが隣接している地域の場合、
入口の画像が見たいと思うことが多い。
が、以外と企業ページにはそういうのがなかったりする。
写真があっても、上空からとっていたり、実物よりも大きく見せていたりと、
徒歩目線ではないのだ。
そのため、歩いて現地に行くと探せないことがある。
ストリートビューを使って、訪問先の外観を見る、
これだけでもひんぱんに利用したくなる機能なのだ。
個人としては怖いし警戒する機能も、
利用者の一人としては、その機能や撮影してあることの便利さを享受している。
矛盾しているかもしれないが、こういうリスクと背中合わせのことだからこそ、
ぎりぎりのラインにある情報に突入するかのように拾い上げ、
その介入の深さが、誰かの便利さにつながるのかもしれないと思った。
グーグルが掲げる企業理念
多くのところで紹介されているだろうが、自分としても学びが多いことののため、
書き出しておこうと思う。
1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる
2.1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番
3.遅いより速い方がいい
4.Webでも民主主義は機能する
5.情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる
7.外にはいつも情報がもっとある
8.情報のニーズはすべての国境を越える
9.スーツがなくても真剣に仕事はできる
10.すばらしい、では足りない
本書の「おわりに」にあるように、
グーグルを技術、人、そしてビジネスモデルなど、さまざまな面から取り上げた本書は、何か、今を変える力をくれる。
ありきたりな、あたりまえな思考法を打ち破るために、
突出した能力を生かしている人々、企業風土、サービスの真髄に触れるのもいいだろう。
こういう本を読むときは、何が自分と違うのだろうか、
どうしてこういうことができるのか、
そのギャップを意識しながら読みたいと思う。
私自身はGoogleを使い倒すほどの熱狂的ファンではないが、
それでも、グーグル関連の本は、いつも考えるパワーを与えてくれる。
憧れだけで読み終わるにはもったいない。
インターネットの世界にいる以上、
このエッセンスの一滴でも、何か自分に還元したいと思う。
では、また。