史上最高のセミナー

こんにちは、検索迷子です。


数多く自己啓発書はあるが、内容の読みやすさと登場人物の豊富さで、
お得度が高いと思った本がある。
それが『史上最高のセミナー』マイク・リットマン、ジェイソン・オーマン共著、
河本隆行監訳だ。

史上最高のセミナー

史上最高のセミナー

  • 作者: マイク・リットマン,ジェイソン・オーマン,ジム・ローン,マーク・ビクター・ハンセン,ジェイ・コンラッド・レビンソン,ジャック・キャンフィールド,ロバート・アレン,シャロン・レクター,マイケル・ガーバー,河本隆行
  • 出版社/メーカー: きこ書房
  • 発売日: 2006/10/07
  • メディア: 単行本
  • 購入: 4人 クリック: 72回
  • この商品を含むブログ (19件) を見る


マイク・リットマンの著者紹介によると本書は、
世界No.1の自己啓発ラジオ番組「マイク・リットマン・ショー」の司会者で、
この本は、ラジオ番組の再録という形となっている。



本書がいいと思った理由は2つある。
1つは、複数の著名な成功者が登場するということで、
特定の誰かに偏りのない成功談、知識や実践などが読めるという点だ。


また、実際に掲載されている方たち9名のセミナーに参加するのは、
日本人ではないので距離的な問題もあるだろうが、
行けたとしても全員の話を聞こうといたら、いったいいくらかかるのだろう?
というくらいの方たちが集結して一冊にまとまっている。


複数の人が登場するということは、事例の多さもそうだが、
同じような質問項目に対して、違った意見や実行方法があるという多様性がわかる。
そうした、本書の掲載者同士の違いを意識することで、自分なりの思考が組みあがる。



2つめは、マイク・リットマンのナビゲートにより、
話し手のいわんとすることが、よりわかりやすくなっているという点だ。


自己啓発ラジオ番組の司会をしてこともあり、
出演した方たちの著書を事前に読み込んで、
リスナーにわかりやすくつたえようとしているため、
質問内容がシンプルで、どんな答えを引き出そうとしているのかが伝わる。


また、熱弁をふるう話し手の話を適宜に繰り返したり、
わかりにくいところの言いかえを求めたりということがある。
一番多かったフレーズは、ここぞ、という話のときに、
「もう一度、言ってもらえますか?」
と、大事な話や佳境にきた話題ほど、
だからもっと知りたいと、話し手に何回も話してもらっていた。


これは、ラジオならではだと思ったが、夢中になった話し手は、
ポイントを省略して自分の頭のなかでできたストーリーを話す傾向にある。
それを、いったん止めて、
さらにもう一度話してもらうことで、話し手は補足説明を加えながら、
もっとわかりやすく話そうとしているのが伝わった。


「もう一度、言ってもらえますか?」は、
マジックフレーズだなと思った。
ただ、やみくもにいうと話を聞いていない風に見えるので、
これは、事前学習をしたインタビュアーだからこそ、
お、今がポイントの話が来たぞ、
もっと深く話してもらおう思っての部分もあるだろう。


カリスマという存在は、こうした本人の魅力を引き上げてくれる、
その人の特徴を知らせてくれる役割の人によってできて行くような気がした。
マイク・リットマンがここまで熱く紹介してくれなければ、
心に響くようなメッセージでも伝導力は弱かったかもしれない。
いい紹介者からの紹介は、よりよく見えるという典型だと思った。
彼あっての、この本だといえるだろう。


誰のどんな体験から、何を得るか


本書は、インタビュー+著者経歴で1章ずつに分かれています。
気になった言葉を拾い上げようと思ったのですが、
目次と表紙を見ていて、これがエッセンスだと思ったため、
そこを拾いあげます。


構成は次の通りです。
実際の目次は人名+タイトルだけですが、
何をしている人なのか日本人にはなじみが薄いかたもいるため、
表紙カバーのキャッチフレーズを人名の後ろに、( )で補記しました。
なお、このキャッチフレーズは、何でその人が有名かという基準のため、
職業、ベストセラーの書名、業務実績の呼称など人によって異なる。

史上最高のセミナー


第1章 ジム・ローン(世界No.1メンター)
「人は自分が向かう方向に進み、
自分が考える方向に向かうものなんだ」


第2章 マーク・ビクター・ハンセン(こころのチキンスープ)
「収入の一割を納めた瞬間、『世の中』全体が自分に向かって開かれる」


第3章 ウォリー・”フェイマス”・エイモス(チョコチップクッキーの王様)
「最初にイメージすることなく、人生で何かを手に入れることは不可能なんだ」


第4章 ジャック・キャンフィールド(こころのチキンスープ)
「自分の人生に100パーセント責任を持つ」


第5章 ロバート・アレン(実践! 億万長者入門)
「夢と希望と目標と情熱があれば、あなたも億万長者になれる」


第6章 シャロン・レクター(金持ち父さん貧乏父さん)
「財務諸表は、実際の人生における通知表なのよ」


第7章 マイケル・ガーバー(E神話)
「事業を立ち上げる真の目的は、会社を売却することだ」


第8章 ジム・マッキャン(1-800-フラワーズ・ドットコムCEO)
「行動するしかないかを決める責任は、自分自身にあるんだよ」


第9章 ジェイ・コンラッド・レビンソン(ゲリラ・マーケティング
「内面的な決意こそが成功を現実のものにする」

どんな言葉からメッセージを受け取るか


本書は、キーフレーズがたくさんあるので、ぱらぱらめくるだけでも、
太字の要点が目に飛び込んでくるだろう。いくつか紹介する。

ジム・ローン
 その日の計画を終える前に、その日を始めてはいけない。
 これは管理職、リーダーシップの鍵だ。だがこれはまた、家庭にいいる母親の鍵でもあるんだ。誰にとっても重要なことなんだよ。
 力のおよぶ限り、その日の計画を立てるということだ。
 そうすれば意外な発見があるだろうし、改良できることでも何でも、とにかく気づくことがたくさんあるだろう。
 その日のために十分な計画を立てて、詳しいスケジュールを組むんだ。
 というのも、一日一日が人生全体を形作るモザイクのかけらだからだよ。

ウォリー・”フェイマス”・エイモス
過去や昨日というのは単なる言葉でしかないことを理解することだ。過去という場所はどこにもない。昨日という場所もね。それは実際に訪れることのできる場所ではないんだ。そこに行くことができるのは唯一、心の中だけなんだよ。
 だから何かネガティブなことが起こって、それを忘れたかったら、自分の心から追い出すことだ。ポジティブなことや自分が望むことと置き換えるんだよ。そして、自分に利益をもたらす活動や、する価値のある活動、やって楽しい、夢中になれるような活動に専念するといい。なぜなら、過去に何が起ころうと、自分が呼び戻す場合だけ、それは戻ってきてあなたを苦しめるからだ。自分の承認なくして、過去が人生に飛び込んでくることはないんだよ。
(中略)
存在する唯一の時間は"今"だ。

ジャック・キャンフィールド
重要なのは、億万長者になるために"自分がどんな人間になったか"ということなんだ。
 わたしは自分の恐怖心を克服することを学ばなければならなかった。大勢の人の前で話すことを学ばなければならなかった。スピーチを組み立てることも、最初は怖かった。借金の頼み方も、学ばなければならなかったんだよ。ほかにもいろいろある。
 どれも怖かったが、一度経験して乗り越えてしまえば、もうそれからは怖いと感じることはなくなったよ。
 今、家もお金も車もすべて奪われたとしても、どうということはない。そういったものをつくり出す方法を知っているからね。
 なぜなら、わたしはそういう人間になったのであって、所有するもので今の自分になったわけではないからだよ。

ロバート・アレン
 とにかく人を引き付けるもの、つまり自分にとってニッチ(特殊分野)をみつけることだ。"USP"という言葉は、”ユニークな売り込み提案(Unique Selling Proposition)の”の頭文字なんだよ。
 この"USP"を使って、別のUSPをつくってみた。
 USPの"U"は、わたしの場合、”最高の利点(ultimate advantage)”を表す。あなたの製品やサービスは、情報はなぜ競争相手よりもすぐれているのだろうか? 客はインターネット上にいるほかの誰よりもすぐれた、どんな利点をあなたから引き出すことができるだろうか?
 USPの"S"は”刺激的な提案(sensational proposal)”だ。提案は刺激的なものでなければならない。わたしがプロテジー・プログラムに関するニュースレターでしているのはこんな提案だ。「あなたは億万長者になろうと努力している。今年の終わりには、億万長者への道にかなり近づいてほしいと思う」これが、刺激的な提案だ。
 USPの"P"は”力強い約束(powerful promise)”のことだ。インターネットについて書いたわたしの本は、60分でお金を稼げるようになることを読者に約束している。実に力強い約束だろう? 『ナッシング・ダウン』でした力強い約束は、ゼロからお金を稼げるようになることだった。


いろんな考え方や、いろんな実践方法がある。
今、こうした成功者の話が自分の現実からは遠すぎて、壮大すぎて、
その突き抜けたアイデアや話題の規模にびっくりしていても、
実際にそれでやってきた人がいる、ということを知るだけで世界は広がる。


仮に本書を読んだ感想が違和感だったとしても、
自分とどうしてこんなに違うのだろう、この執着心のレベルと比べて、
今、足りないものは何かと考えるきっかけとなる。


多様性のなかから、どんな自分のオリジナルを生み出すか。
実際にはセミナーにはなかなか行かなくても、
本一冊分の値段としてはもの凄い価値のある、思考法をくれると思う。


では、また。