こんにちは、検索迷子です。
前田真三さんの写真集を一通り眺めて、
少し異色で、でも印象深い一冊があります。
それは、
『前田真三写真美術館[2]花景色』です。
- 作者: 前田真三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/05
- メディア: 大型本
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前書きの花の風景のなかで、
花だけの撮影を目的に取材に出ることはほとんどないと書いていて、
それぞれの季節にいたる所でさまざまな花に出合い、
それらを折りにふれカメラに収めてきたとしている。
この偶然の出合いを集めた、花景色だからこそ、
何かはかなく、一期一会の瞬間という真実味がある。
表紙にも使われている、ハナミズキは、
本書中で「春空に咲く」とタイトルがつけられている。
自宅の庭に20年近く咲く花で、この瞬間だけ、
写真に撮ってみようと思ったとコメントしている。
花は美しい。
でも、その美しさに慣れてしまうと、
どのタイミングがカメラを向ける一瞬かという、
出合いを見つけるのが逆に難しい。
どんな花にも、花、というくくりだけでなく、
ひとつひとつに名前があり、
その美しさが際立つ瞬間がある。
一瞬を凝視できるか、
美しさに目を留められるか、
その瞬間に立ち会えるか、
なにか、きれいなゆえに、
こんな一瞬をどこで見つけたのだろうと、
とてもせつなくなるような写真集だった。
美しい一瞬を見落とさないのも、本当に才能だと思った。
では、また。