似て非なる情報分類

こんにちは、検索迷子です。


毎日、新サービスのデータ集めのために、
たくさんの関連団体に電話を大量にかけている。


同じ種類の団体で、同じ部署名でも、担当業務は異なり、
一度電話するだけでも、何カ所もたらい回しにされる。


それでも、協力依頼をしたいのはこちら側なので、
粘り強く、保留音を聞き、待ち、担当者が変わるたびに、
電話口で一から説明を始める。


心のなかで、総合窓口はないのかと思いながらも、
それはどこの巨大組織にもあるセクショナリズムなのかと思うことにした。
自分が逆の立場だとしたら、やはり担当外のことは責任を持って、
答えることはできないだろうから、そういうものだと思うことにしている。



公開前のサービスのため、この交渉をずっと口頭でしてきた。
相手が一度で理解してくれることもあれば、
上層部に判断を仰ぐため書面がないとと言われることも多かった。
これは、説明の訓練だと思いながら、口頭は難しいなと思っていた。


やっと最近、企画書とデザインを見せることができる段階になり、
多少はスムーズに話が進み出した。


とは言え、まだ世の中にないものを作るため、協力を仰いでも、
対応に合致する部門がなかなかない。
協力を依頼するということは、相手の時間を奪う仕事を作ってしまうのだ。


望み通りのものを手に入れるため、丹念に説明を繰り返し、
より近いもの、より二次加工がいらないもの、
より精度は高いものをいかに集めるか、苦戦は続く。
いったいいくつ集めれば終わるのかさえ見えない。


情報は、よほど元データが意志を持って整理されていない限り、
むき出しでは使えない。使う用途によって手を加える必要がある。
現に個別団体では、情報はあることはあるのだ。
ただ、私がほしい形ではないのだ。


情報を整理すること、編集力を見せること、
使いやすく分類し直すことによって、情報に価値が生まれる。


同じ素材でも、見せ方が違うだけで、元データが活気づく、
似て非なる、価値ある情報に見せることができる。


情報はそれ単体では、情報になりえない。
キーワードやタグ、カテゴリー、操作性、新鮮さ含めて、
革新的に提案できる整理がいる。
分類されていない情報は、検索性も悪く、ただの羅列になる。
ただ、そこにあるだけのものになり、大量の情報のなかから、
たった一つが探し出せない。


あることはある。でも、見つからなければ、ないも同然になっていく。


似て非なるもの。
それは、わずか一ミリの差で肌になじむ服のようなものかもしれない。
長すぎても、短かすぎても、居心地がわるい。


数ミリに最後までこだわるか、既製品で間に合わせるか。
時間との戦いのなか、どこまでいけるのか、
目的を見失わないでいられるか、ひたすら説明を続ける。


自分一人ではできないことを実現するために、協力を仰ぎながらも、
妥協して、似て非なる、
ただ並べましたみたいな粗悪なサービスにしないよう魂を込めねばと思う。


さて、志を捨てずにどこまでいけるのやら。


似て非なる情報分類で、私たちは、
わずかな時間でひんぱんに使うサイトもあれば、
永遠にめぐり合わないサイトもある。


わずかな、ほんのわずかな、自分の思考というエッセンスが、
何にも似ていない、ただの羅列ではない、
情報と認識してもらえるシーンを作り出せるだろうか。


一用途で、多数サイトを検討するほど、人はひまではない。
その用途で、このサイト。
ただ、一つの存在になるためには、編集する意志を忘れてはならない。


では、また。