日本のためのマーケティング入門

こんにちは、検索迷子です。


研究者である小川孔輔(おがわこうすけ)さんの『マーケティング入門』は、
日本でははじめての本格的なマーケティングのテキストであると、
小川さんが最初に書いている通り、日本にありそうでなかった本である。

マネジメント・テキスト マーケティング入門

マネジメント・テキスト マーケティング入門


780ページのテキストは、
「日本企業のマーケティング実践を、理論的な枠組みの中で整理して語り継ぐという伝統を、
日本の研究者集団が醸成できなかった」と書いている通り、
従来、日本のマーケティング本は日本企業に特化していないものが多かった。


確かに、翻訳本を読むと、米国企業などの事例は参考になったが、
何か遠いことのような気持ちがしていた。


本書では、ユニクロ、キリン午後の紅茶資生堂など、
多数の日本企業の事例が取り上げられており、どれもなじみ深い。


マーケティング理論の本としても、企業の成功事例の本としても、
読み応えがある一冊である。


できれば、この分厚さではなく二分冊にしたほうが、
通勤時にも読みやすかったのだが、テキストだと思えば、
このボリュームもいたしかたないだろう。


このテキストを使って、学生時代にマーケティングを学べば、
もっと違った視点が養われたかもしれないと思うくらい、
マーケティングは面白いと思わせてくれる一冊です。


基本的なマーケティング知識だけでなく、日本独自の市場に根ざした分析がされていたり、
時代感が伝わるぶん、とても入り込める本です。
重量は重たい本ですが、中身はとても読みやすいです。


マーケティングに興味があってもなくても、得ることの多い一冊です。
ぜひ、ご一読を。


では、また。