こんにちは、検索迷子です。
研究者である小川孔輔(おがわこうすけ)さんの『マーケティング入門』は、
日本でははじめての本格的なマーケティングのテキストであると、
小川さんが最初に書いている通り、日本にありそうでなかった本である。
- 作者: 小川孔輔
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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780ページのテキストは、
「日本企業のマーケティング実践を、理論的な枠組みの中で整理して語り継ぐという伝統を、
日本の研究者集団が醸成できなかった」と書いている通り、
従来、日本のマーケティング本は日本企業に特化していないものが多かった。
確かに、翻訳本を読むと、米国企業などの事例は参考になったが、
何か遠いことのような気持ちがしていた。
本書では、ユニクロ、キリン午後の紅茶、資生堂など、
多数の日本企業の事例が取り上げられており、どれもなじみ深い。
マーケティング理論の本としても、企業の成功事例の本としても、
読み応えがある一冊である。
できれば、この分厚さではなく二分冊にしたほうが、
通勤時にも読みやすかったのだが、テキストだと思えば、
このボリュームもいたしかたないだろう。
このテキストを使って、学生時代にマーケティングを学べば、
もっと違った視点が養われたかもしれないと思うくらい、
マーケティングは面白いと思わせてくれる一冊です。
基本的なマーケティング知識だけでなく、日本独自の市場に根ざした分析がされていたり、
時代感が伝わるぶん、とても入り込める本です。
重量は重たい本ですが、中身はとても読みやすいです。
マーケティングに興味があってもなくても、得ることの多い一冊です。
ぜひ、ご一読を。
では、また。