与えられて、応える

こんにちは、検索迷子です。


安定した企業は、従業員の志気を高める制度が充実している。
特に、学びを支援する制度や、表彰制度など、
金銭的価値と労働意欲を促進するものが用意されている。


ただ、こうした制度は、ごく一部の学び好きの人が活用したり、
向上心が著しく高い人だけが利用し、形骸化している企業もある。


今、私がいるところでは、そうした制度が充実している。
というところまでは、大企業のスタンダードだと思っていた。
驚いたのは、それを積極的に利用する従業員の多さだ。


学びの費用補助の活用は従業員の二割程度、
これは職業訓練制度の社内版のように全コース修了時一部返金というもの。
きちんとコースを終えて、返還金を受け取ったのが二割いるということだ。


表彰と報奨金ありのプレゼン大会の提出は、従業員のなんと半数だ。
驚異的な数字だと思う。
こうした制度は、がんばってる感が出て、つい斜に構えて、
提出しないほうがかっこいいと思ったり、
内緒で提出したりしているのは、過去の会社で見てきたことがある。


でも、今の場所は、提出するのが当たり前で、
提出するアイデアがない人のほうがやる気がないと見える。
そのため、提出した?と皆で声をかけあったり、
何書く?と事前に相談しあったり、出すのが普通という体制がごく普通にある。
ノルマでも何でもなく、皆、出したいから出すのだ。


転職したてで、新アイディアの創出に没頭することができず、
提出を見送るつもりが、全員が参加するのだから、
自分も何か出さねばと焦り、休日返上で企画書を書いた。


不思議と、全然、やらされ感はなく、むしろ楽しく書けた。
やりたいことがあり、アイディアを受け止めてくれる場所があり、
提出した内容を、話し合って盛り上がれる仲間がいる。
仲間も私も、会社を良くしたい、いいものを作りたいからこそ企画書が書ける。
それが、とても心地よいと思った。


社員のやる気は制度だけがあればいいのではなく、
社員同士がそれを遊びにして、普通の行事にすることなのだと思った。
全社規模の企画書を書くには久しぶりだったが、
誰に命令されるわけでもなく、義務でもなく、仕事が楽しいと思える、
企画書もやりたいことの実現のための当然の流れで書けて、
学びが定着している会社は居心地がいいなと思った。


過去、私は人を誘って学びを促進してきたが、誰も乗ってくれなかった。
自腹でセミナーにいったり、試験を受けて、他に紹介しても、
私だけが一人でがんばっているみたいで浮いていた。


今は、誰もが学び向上する場で、私はそのなかのごく一部である。
学ぶことが仕事に直結している場所は、働きやすいと思った。
お金のためでも、資格のためでもなく、自分がやりたいからやっている、
そんな向上心のある人たちに囲まれて、学ぶことがますます楽しいと思える。


大企業のゆとりや、制度のゆとり、資金面の出し惜しみのなさは、
福利厚生目当てで入ったわけではないけど、やっぱりいいものです。
学びにお金を使ってくれる、社員を大切にしてくれる会社は、
働いていて、社員が伸びやかでほっとします。
企画書さえ、従業員のイベントごとになるなんて、なんかいいですね。


では、また。