こんにちは、検索迷子です。
先日のエントリー、一緒に夢を見てもらうで、
id:ululunさんにいただいた「同じ船に乗る」のコメントに触発されて、
今日は、船にまつわる人との距離や関係について書きます。
まず、中島みゆきさんの『二隻の舟』について。
この歌詞は、一緒に寄り添いながらも個は個として生きていくという、
人は皆一人から始まり、一人ゆえに支えあいながら、
温めあいながら生きるのだと伝えてくれます。
一緒に歩むことにも、多様なスタイルがあるのだと思わされます。
余談ですが、タイトルがあいまいだったため、
「二艘の船」で検索しましたが、すぐにこの曲が見つかりませんでした。
うろ覚えな単語は検索しにくいなぁと思いました。
同じ船に乗ることが、仕事の仲間だと思う気持ちと、
同じ船には乗れないけれど、寄り添って、
尊重しあっていくという気持ちが私にはあります。
私はこれまで、運命共同体として同じ船に乗ることが、
いい仕事をすることだと思ってきましたが、
最近では、個は個として違う日常を過ごし、違う仲間ともやりとりしながら、
ほんのわずかな期間だけは、集中して仲間になるという感覚になりました。
これは、どんなに一時期、密に仕事をした人でも、
お互いのライフスタイルにより、
わりと短期間で別々な道を歩むのだと実感してきたからです。
一生一緒に仕事をしていくのだと思うくらい相性の良かった人でも、
振り返れば長くて数年だけ濃厚に仕事をして、
その後は接点が途切れるという経験が多かったからです。
だからといって、人との関係は表面的でいいと思うのではなく、
仕事という場で出会って、真剣に議論したり、
一緒に徹夜をしても、人と自分の価値観は違うとわかってきたからです。
だからこそ、出会ったそのときからいつか別れる日まで、
全力投球でその人との出会いを大切にして、
お互いの力を出し合い、
いい仕事をしようと接点がある時期を大切にしようと思います。
人と人はいつか別れる。
だから、今という時間がかけがえのないものだと思うのです。
特に、プロジェクトにいると、数年後一人も変わらないメンバーということは、
ほとんどありえないことだと思っています。
全員が同じ時間を共有し、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、
今という時代や時間を、お互いの良さを引き出し、
いいサービスを生み出すことに集中しようと思います。
一方、同じ船の単語が使われる『護送船団方式』は、
私にとってなじみが薄い言葉です。
横並びで歩むことに、成長や活性化はないと思っているからです。
経済学でこの言葉を初めて知ったときは、なんだか、
古めかしい発想に思えました。
「落伍者を出さない」(いい換えれば破綻はさせない)ことに主眼が置かれ、自由な市場競争により他より優れた商品・サービスを供給したものが勝ち残るという、本来の資本主義経済になじまない部分があったと指摘される。
いいものを目指そうとしたときは、
どこか突き抜けていかなかればならない瞬間があります。
人と同じ、誰かと同じ、全員の同意を得て平均点をとるということでは、
人の心に響くものは生み出せないと思っています。
「呉越同舟」という言葉も、人との関係ですね。
呉越同舟(ごえつどうしゅう)の意味・使い方 - 四字熟語一覧 - goo辞書「呉越同舟」の意味 − goo辞書
仲の悪い者同士や敵味方が、同じ場所や境遇にいること。本来は、仲の悪い者同士でも同じ災難や利害が一致すれば、協力したり助け合ったりするたとえ。
船は、人との関係を考えるうえで、いろんな距離感を教えてくれる、
面白い言葉だなと思いました。
私はどんな船に誰と乗ろうか、誰と伴走するかと考えながら、
仕事をしているような気がします。
では、また。