時代に挑戦した炎の女

こんにちは、検索迷子です。


4月、新卒で社会人としてスタートを切った人たちは、
自分がどんな職業人になるか、夢を馳せていることでしょう。


そんなフレッシュな新入社員を見て、
社会人何年目かの人たちは、自分が新人時代に思い描いた通りになれたかなと、
働く自分というものを見直したりするかもしれません。


女性が働くということ、働き続けるということを考えさせられるのが、
『ココ・シャネル 時代に挑戦した炎の女』の本です。


ココ・シャネル 時代に挑戦した炎の女 (FIGARO BOOKS)

ココ・シャネル 時代に挑戦した炎の女 (FIGARO BOOKS)


女性なら何か一つくらい、シャネルのものを持っているかもしれません。
また、今もっていなくても、いずれほしいものもあるでしょう。


本書の訳者あとがきによると、
ココ・シャネルがカンボン通りにオープンしたのが1910年、今年でちょうど百年です。


多くの女性が憧れるブランドを生み出した、
ココ・シャネルの生い立ちからくる貪欲さは、きらきらしたブランドイメージとは、
違った側面を伝えてくれます。


時代を読む力で自由に人生の方向転換をする機知、
自分が目指すものに対する執念深さと周囲との軋轢、
恋愛関係の奔放さや男性を利用しながらビジネスを拡大させる手腕など、
女性が生涯独身で一人で働いていくことが容易ではないとわかります。


なかでも、本のカバーにも印刷されている言葉に、
ココ・シャネルという女性の姿が集約されているような気がします。

いつかあなたが悲しみの淵に沈み、
すべてを失くし、
ひとりぼっちになった時、
いつでも相談できる友人をひとり持つことね。
あとは仕事よ。


一見、投げやりともとれる、せつない言葉のようですが、
女性であれ、男性であれ、働く人にとっての仕事は、
生活基盤の確保のためだけでなく、
生きがいとしてとても大切なものだと私は思います。


恋愛が上手くいっていて結婚間近な人でも、
家族と楽しく過ごしている人でも、
多趣味な人でオフタイムは充実している人でも、
仕事が面白くないと嘆く人の表情は、くすんでいます。


公私共に充実できるのが一番いいのでしょうが、
仕事が上手くいっていない、仕事の中身が面白くない、
職場がつまらない、自己成長ができそうな要素がないなど、
仕事に集中できていない人は、
一時的な楽しい要素があっても、顔つきがよくありません。


働くということは、大人になってからの大半の時間を費やす、
とても大事な時間です。


ココ・シャネルの、悲しみを仕事で乗り越えるシーンを読みながら、
つくづく、基盤となる職が人生にあるかどうかが、
大切だなと思いました。


検索迷子も、転職をしようかどうか迷ったときに、
職業と自分のアンマッチさに費やした時間分、
自分が消耗していっているのがわかました。


一生働くことを考えたら、自分にあわない仕事を続けてはいけないと、
次の可能性にかけることにしました。
没頭できるほどに夢中になれる仕事こそ、日々を楽しくしてくれると思っています。


職に対する考え方は人それぞれでしょうが、
ココ・シャネルが世の中に送り出したファッション革命は、
こうした強い意志から生まれているようです。


新卒を見て、自分の新人時代を振り返ることができる4月だからこそ、
働く自分と仕事との距離を見つめなおしてみるのも悪くないでしょうね。


いい仕事に出会えていない人や、
捜し求める努力をしていない人は、
ちょっと本人が自分を粗末にしているようで、かわいそうな気がします。


では、また。