こんにちは、検索迷子です。
私は、無心になりたいとき、
図書館のブックトラックに置いてある本から、
普段は決して手にしないような本をあえて選ぶことがあります。
ところで、ブックトラックってご存知ですか?
図書館の返却カウンターのそばにある、キャスターつきの移動棚です。
返却処理が終わって、後はスタッフが棚に戻すための一時置き場で、
借りたい方はどうぞ、もう借りられますよという棚です。
図書館には頻繁に行くのですが、
たいていいつもインターネットで予約した本を借りて、
さっと返却をしてと数分しかいないことが多いです。
でも、ときどき、カウンター前で行列ができていたり、
なんだか手持ち無沙汰で、でも館内を回るほどの時間がないとき、
ブックトラックに目がいきます。
意図的にブックトラックに狙いを定めて本を選ぶこともあります。
それは、凝り固まった自分の思考をリセットしたいとき、
視点を変えて考え直したいとき、
いつもとは違うジャンルの本をあえて選ぶようにしています。
本は読みたいのだけど、選ぶことにエネルギーをあまり使えないとき、
同じジャンルの本ばかり読んで行き詰ったときなど、
自分では選ばない本をあえて手にすることは、リフレッシュ効果があります。
結局は、それでもブックトラックの中から選んではいるのですが、
自分では決して、わざわざ書棚に行かないだろうと思う本との出会いの宝庫です。
でも、書店とかではそれはなかなか難しいです。
つい、なじんだ棚に足が向いてしまいます。
そこで、短時間でできる気分転換の本選びに最適なのが、
図書館のブックトラックの中だけから、本を探すことです。
ブックトラックにある本は、
直前までは誰かが借りて、読んでいた本です。
あるときから、この棚から本を探す面白さに気づきました。
それは、誰かが借りたいと思うような本は、
ヘビーローテーションされていて、意外と棚になかったり、
貸し出し中で現物が目にできなかったりするのですが、
このブックトラックをまめにのぞくと、思いがけない発見があります。
前から気になってたけど、新刊で読みそこなった本や、
図書館で人気でなかなか読めなかったりした本が、
数年経過してブームが落ち着いて、ひょこっと置いてあったりします。
お名前だけは知っているけど著書を読んだことがないとか、
何か先入観を持っているとか、
そういった自分の思い違いを知らされることがあります。
最近、そんな意外性があったのが、
大沢あかねさんの『母ひとり、娘(こ)ひとり』でした。
- 作者: 大沢あかね
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 単行本
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私は芸能ネタには明るくありません。
だから実は、大沢あかねさんに興味があったのではなくて、
幻冬舎さんから出版するタレントさんは、旬の方が多く、
そんなに注目されるような話題がある人なのかと、好奇心で手に取りました。
大沢あかねさんは、テレビでいつもはじけるように笑っていて、
大沢親分のお孫さんで、モデル出身の元気な女の子といった印象でした。
光が十分あたる場所にいるきらきらしたイメージでした。
それだけに著書のなかの、実際の子ども時代とのギャップに驚きました。
大沢あかねさん一人とっても、
私たちは誰かの断片的な情報だけで、その人を判断して、
自分のなかで枠を作ってしまっていることに気づきます。
この『母ひとり、娘(こ)ひとり』を読んだだけで、
それまで関心のなかった大沢あかねさんがこれから幸せであるようにと、
願うようになりました。
本がくれる力、本と出会う力はすごいです。
同じ目線で物事を見ていてはいけないよと教えられます。
リアルな場面でも、寄り道による発見があるように、
図書館のなかにも寄り道の楽しさがあります。
ブックトラックへの小さな寄り道、ぜひお試しください。
では、また。