ウェブユーザビリティの法則 改訂2版

こんにちは、検索迷子です。


今日は、『ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版
−ユーザーに考えさせないためのデザイン・ナビゲーション・テスト手法』
について書きます。


ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版

ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版


この本は、2001年に出版された本の改訂版です。

ウェブユーザビリティの法則―ストレスを感じさせないナビゲーション作法とは

ウェブユーザビリティの法則―ストレスを感じさせないナビゲーション作法とは


第1版は内容を確認していないため、今日は第2版を中心に書きます。


同書の表紙裏には、
株式会社ビービット代表取締役遠藤直紀氏が推薦文を寄せていて、
「まさにユーザビリティの教科書である。」と書かれているように、
十分にユーザビリティの良書としての評価が定まった本です。


注目度の高い本であり、YouTubeでも本の紹介動画があります。

YouTube - ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版

同書のコンテンツ内容

amazonでは詳細がなかったため、
セブンアンドワイ ヤフー店の商品説明が詳しかったので、そちらをを引用します。

ウェブユーザビリティの法則 ユーザーに考えさせないためのデザイン・ナビゲーション・テスト手法 改訂第2版

目次
最初にお読みください
ユーザーに考えさせない
ユーザーは“実際には”どんな風にウェブを使っているのか
「看板」デザイン入門
動物、植物、それとも鉱物?
不必要な言葉を省く
道路標識とパンくず
「トップページは難しい」と自覚するところから始める
「きっと仲良くやっていけるさ」
1日10円でできるユーザビリティテスト
礼儀としてのユーザビリティ
アクセシビリティ、CSSそして皆さんについて
助けて!ウチのボスが○○しろって言うんです


上記の目次が、各章ごとに分かれています。


全体を通して読み応えがあるで一読をお勧めしたいですが、
私が気になった点を書いていきます。

第6章 道路標識とパンくず −ナビゲーションをデザインする

この章のP.72にウェブ版のナビゲーションルールの基本要素が、
図解されています。

・サイトID
・セクション
・「現在地」表示
・ユーティリティ
・サブセクション
・ページ名
・ローカルナビゲーション(現在の階層を選択できるオプション)
・テキストバージョン

の項目が記載されています。


今、私は図解されている部分を読みながら入力しましたが、
これをお読みになった方は、どの名称が何をさすか、
おわかりになりましたでしょうか?


たとえば、
・ユーティリティ
についてを例にとってみます。

p.78
ユーティリティはサイトのタイプによって数多くのバリエーションがある。
たとえば企業サイトかEコマースサイトであれば、以下のようなユーティリティが考えられる。


About Us      ダウンロード    ショッピング方法    登録
アーカイブ     ディレクトリ    求人情報        検索
チェックアウト   フォーラム     マイページ       ショッピングカート
企業情報      FAQ         ニュース        ログイン
お問い合せ     ヘルプ       オーダートラッキング  サイトマップ
カスタマーサービス ホーム       プレスリリース     店舗情報
ディスカッションボード 投資家向け情報 プライバシーポリシー  アカウント情報


これらの名称の総称がユーティリティだということを、
私はこの本を読むまで知りませんでした。


いくつかの要素、いくつかの固定位置が定まっているもの、
特定機能面など、違う切り口で考えていたことが並列になっている感じがしました。


たとえば、企業情報、投資家向け情報、求人情報は「会社情報関連」。
表示位置は、企業情報サイトならページ上部、サービスがメインのサイトならページ下部という印象。


About Usは、会社情報や、Webサービスの紹介ページと使われ方が異なることもあります。
表示位置は、ページ右上の印象。


ショッピング方法、ショッピングカートなどは「買う機能」そのものです。
マイページ、ログインなどは「パーソナライズ要素」そのものです。

違う単語の、同じ機能やリンク文言ををいかに減らせるか

ここで私が言いたいのは、
これをユーティリティというのはおかしい、ということではなく、
もっと細かく束ねる要素や言葉があってもいい、
もっとサイトを横断した、日本独自の言い回しがあってもいいのではと思います。


その用語が統一されていくことにより、
ナビゲーションは格段にあがると思われます。


上記のような言葉は、過去数社で勤務した経験によっても、
まるで使っている用語が違います。
また、機能別に担当部署が違っていて、一律に同じ基準で行えない自由度がない面もありました。


小さな組織では回ることかもしれませんが、
どんなサイトであれ、最終的に使うのはお客様です。


初めてそのサイトを訪問するお客様が、
これは何のサイトかを調べようとしたとき、
Aというサイトでは、About Us
Bというサイトでは、はじめにお読みください
Cというサイトでは、なんとかについて
Dというサイトでは、まずはここから
Eというサイトでは、ヘルプ

で同じ内容を書いていることはざらです。


私は過去、出版業界にいましたが、
出版物では用語が統一されていることにより、
どんな仕事でも、その仕事の行き来ややりとりが比較的簡易に行えました。


自社独自の言い方、
研究者の推奨する言い方をそのまま、うのみにせず、
見直す時期にさしかかっているような気がします。


私たちインターネットの作り手は、そろそろもうすこし平易な、
お客様の視点と視線とサイトの構造の標準的な流れにあったものに、
統一していくもの、独自性を追求をしていいものを整理する時期かもしれません。


どんな概念でもないよりはあったほうがいいのですが、
それが根付くかどうかはまた別問題です。


ヘルプはサイト右上にあるもの、と思っている人が、
なかったときにどんなに不安になるでしょう。



ユーティリティの要素を、私たちはどう見せていくか、
どうナビゲートしやすくするか、常に考え続け、
自社利益だけではなく、インターネット業界全体の最適を考えていければいいなと思います。



では、また。