ギャップイヤーの豊かさ

こんにちは、検索迷子です。


新しい言葉や概念に出会ったとき、
それまで否定的に考えていたことや、
悩んでいたことが、ぱーっと霧が晴れるような思いがして、
心が爽快になることがあります。


今日はそんな、一言「ギャップイヤー」を。



ギャップイヤーとは、イギリスを中心に普及している、
高校を卒業してから大学に入学するまで、
あるいは他の時期であっても、
どこにも所属しないで放浪する期間のことという。


履歴書に一日たりとも空白があってはいけないという、
日本では考えられないことです。


この言葉に出会ったのは、『フューチャリスト宣言』の本のなかです。


フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)


梅田望夫さんと茂木健一郎さんの共著です。
2007年発行の本のため、知っている人もたくさんいるかもしれません。
でも、今日、この言葉を知った私にとっては、目からうろこの言葉でした。


この言葉に出会わせてくれるために、
今日この本を偶然手にできたのではないかと運命とも思えます。
新しい言葉とは、それくらい力をくれます。


本誌には、脳科学者の茂木健一郎さんが、
2006年に横浜国立大学で行った特別授業「脳と仕事力」の内容が掲載されており、
そのなかのテーマのひとつとして、ギャップイヤーが取り上げられています。



本誌に掲載されていた話の骨子が伝わる内容が、
茂木健一郎さんのブログ「クオリア日記2007/05/10」に
記載されていました。


なお、表記は書籍では「ギャップイヤー」、
ブログでは「ギャップ・イヤー」となっていましたが、
私が最初に見た書籍のほうの、中黒(・)なしの表記で統一していきます。



ギャップイヤー、
この言葉に早く出会いたかった。


私自身の履歴書がどうのということではなく、
誰かの空白の時間をとかく否定的に見てしまいがちな、
そんな視界の狭さに気づかされました。


ある人から見たら、怠けている、ずる休み、考えていなさそうにみえる行動でも、
本人にはとても豊かな時間なのかもしれない。

それを表面的に、
自分の目線だけで、
自分が知っている感覚や経験だけで判断してはいけないと思いました。



この言葉があるだけで、見え方がまるで違ってくる。


ギャップイヤーを、今過ごしている人、
これから過ごそうとしている人、
あるいは、空白の時間に意味が見出せずに迷っている人に、
この言葉を贈りたい。



あなたの空白時間は、必ず意味がある、
明日につながると。


どれだけ長期間、立ち止まってもいい。

自分であることを止めなければいい。


ギャップイヤーという言葉に甘えるのも考えものですが、
こんな素敵な言葉で、
今の自分の立ち位置が定まるなら、それで安心できるなら、
もう十分すぎるくらい、この言葉は安らぎをくれる概念です。



私もギャップイヤーをたくさん経験してきました。
職歴の空白期間もあります。
でも、その時間をフルに活用して、人生の巻き返しをはかりました。


きっと、放浪にも意味がある。


どんな時間だって、生きているあなたや私には意味がある。


ギャップイヤー、いい言葉です。知れて良かった。


迷いの時期にいたっていい。
何にも属さなくたっていい。


あなたがあなたであり、私が私であるだけでいいのだから。


誰かと、またどこかでつながる明日はきっとまた来る。


検索迷子がインターネット上の迷子なら、
ギャップイヤーはリアル迷子もどきのようで、なぜか親しみを感じる言葉です。


私もあなたも、実は迷子なのではなく、
何かにたどりつくために、今この時間を寄り道しているんですよね。きっと。


意味のある寄り道なのです。



では、また。