こんにちは、検索迷子です。
検索キーワードの分析を毎日の仕事としていたころ、
日々、検索される単語の一覧をながめながら、
インターネットでこんなことまで検索するの?と驚きの連続でした。
単語一語もしかり、複数検索もしかり、
自然語検索もしかり。
この単語で何を調べようとしているのだろう?と、
推測できるものもあれば、まるで想像ができないものもありました。
インターネットは紙の国語辞典とは違い、
その言葉そのものでなくても確かに調べられます。
ある程度の表記ゆれも、検索サービス側が適切にナビゲートしてくれます。
それでも、
この単語では、この言葉ではどこにも行き着けないだろうなと思うような、
話し言葉だったり、略語だったり、あるいは地域性のある表現だったり、
もしかしたら、仲間内の言葉だったりすると、
検索エンジン側が必ずしもクロールできていなかったり、
表記ゆれに対応できていないことがあります。
そうすると、どうなるか。
せっかく検索しているのに、情報に出会えないのです。
毎日、検索キーワードを調べつつ、
検索に一件もひっかからなかった単語というのも調査していました。
その数は、膨大で、ゼロになる日は一度もありませんでした。
ああ、この言葉で調べたかったことなら、
目の前にいれば、アドバイスができるのに、
もっといい検索単語を紹介できるのにと忸怩たる思いがしました。
検索やコミュニティサービスに関わってきた自分には、
何ができるのかと考えてきました。
私がやりたいことはただひとつ。
情報とお客様を結びつけるということ。
インターネットを使って調べごとをするというのは、
決して受け身ではできません。
どんなときだってスタートは、検索キーワードを考えて、
検索窓に入力するという能動的なアクションから始まります。
勝手に誰かが検索してくれるわけではなく、
テレビのようにリモコンで切り替えたり、
ザッピングをしているうちに、
なんとなくよさそうなものに折り合いをつけるでもなく、
自分が探したいものを探す、積極的な行為なのです。
どうして、そうやって調べたい、探したい人の力になれないのだろう、
何が足りないのだろう、
どうしたら、情報とお客様は出会えるのだろう、
このジレンマに日々向き合い、私はできそうな改善を繰り返してきました。
検索キーワードの使い方を直接教えられない以上、
どんな言葉でも出会えるしくみをつくる。
情報に行き着けなくて、検索迷子になる人を減らす。
何よりも、解決したい問題に最も最適な答えに出会ってほしい。
最近、立て続けに、自分の人生観を揺るがすようなことがあり、
ふと、パソコンに向かって、
インターネット上で何か解決策は見つからないものかと、
わらにもすがるような気持ちになりました。
でも、そんなときは混乱していて、
検索キーワードは浮かばないものです。
何かを調べたいのに、何を調べていいのか、わからなくなっている。
ああ、私がキーワード分析していたときに、
突拍子もない単語は、こんな錯乱状態から生まれたものもあるのかもと、
自分がペースダウンしているときに気づいたりします。
私は、迷いのなかにいる人を、
それでも気持ちを奮い立たせて、
パソコンに向かって、
キーワードを入力するところまでは何とか行動を促したいと思っています。
何かを調べると、
どこかにいけそうな気がするという希望を持ってもらいたいのです。
キーワードが出てこなくてもいい。
似たようなことを考えている人たちのやりとりの中から、
自分の考えを整理する方法だってあるのです。
直接調べるだけが検索ではなく、
近いところに行き着ける場所だって、検索の醍醐味です。
どんな単語でも調べたり、調べる行為のなかで発見があるかもしれません。
それだって、じっとしているより一歩踏み出す行為です。
だから、どんなときでも、検索単語を入力すれば、
どこかにいけそうな気がするという期待感を持ってもらえるものを提供したいのです。
インターネットを使って未来に誘導して、
よりよい明日を生きてほしいと願っています。
だから、インターネットには何でもある、
何かある、何か見つかる、誰かと出会える、
そういう、検索キーワード迷子が漂流した先に、どんな小さな発見でもいいから、
見つけてもらえるように、知恵を絞りたいと思っています。
調べようとした気持ちに、何かを返してあげたい。
検索迷子を見てくださる方にも、
えー。こんな単語で来てくださったのかと驚きの連続です。
私の拙い文章でも、
誰かの人生の一瞬に、お役に立てたり、
これはいらないねと消去項目であったり、
たとえ反面教師な気に食わないような文章であったとしてでも、
ご自身の判断の確認になったりするのかなと思います。
検索迷子は、どんなに大量の分析を重ねても、
多くのお客様の迷いの言葉に触れても、
自分個人としては今でも検索迷子です。
だって、変化し続ける自分にとって、最適な言葉は変化していくからです。
だから、永遠に検索迷子の人の気持ちに寄り添えそうな気がします。
検索迷子になってここに来てくださったかたに、
せめても、小さい発見の一瞬を提供できますように。
完璧なキーワードを知っているくらいなら、
ダイレクトにアクセスできるサイトだってわかるはず。
正解がわからないから、
自分の心に問いかけて、言葉を探し、検索窓に入力する。
私は、その膨大な検索するお客様を、
言葉の洪水をうまくかきわけて、
情報にお連れして、幸せに導いていける人になりたいと思います。
今日は出会えなかった言葉に、明日は出会えるかもしれません。
検索キーワードひとつで、一瞬の幸せの光を届けたい。
では、また。