同じ検索単語で、違う検索結果を見る

こんにちは、検索迷子です。


検索エンジンで調べものをして、
その検索結果の話題を他の人とするとき、
微妙に話がかみあわないと感じることが多くなりました。


なぜだろう?と思って考えてみたのですが、
インターネットが日本で普及しだした15年前と現在では、
比べ物にならないくらい、
インターネットの利用環境や技術が変化してきたからかと思いました。



その変化は、
個人の自由度の高いツールで利用機会を増やし、
同じモノや場所や到着地を制限しない、のびのびした検索体験をさせてくれます。



たとえば、環境面でいけば以下のようなことです。
検索エンジンの種類
・ブラウザの種類
スクリプトの種類
・PC環境設定
・自然語や表記ゆれの言語自動判定技術


また、
どこから検索を開始するかによって、経由や到着地が違うことがあります。
検索エンジンのトップページ
ツールバー
RSSリーダー
・別サイトに存在するリンク文字列
・検索結果のURL自体
・画像検索や動画検索などの特殊検索
・特定情報のまとめサイト
ソーシャルブックマーク



さらに、上記が同じだったとしても、
・検索結果のどのリンク先を押すか
・何で信頼できる情報かを特定しているかの判断基準
といった、最終アクセス手段を選ぶ際の決め手が違います。


ざっと思いつくだけでも、
検索結果を取り巻く違いが生まれる要素はこれだけあり、
もっと整理をして考えるといくらでもあがりそうです。



環境が整い、入口が多様化し、個人にとって使いやすさを追求できる検索。
自分の最適な検索スタイルを見つけるという点では、
この選択肢の広がりはとてもいいことです。



でも、これが職場の同僚との仕事のやりとりに関わる検索行為だったら、
この多様性は嬉しいことでしょうか。


たとえば、挨拶のマナーを調べようとしたとき、
必ずしも一般的には正しい手順ではないものを見つけたとします。
でも、本人がその誤りに気付かず行動したとき、
他の人から反感をかうようなことをしてしまいかねません。



本人にとっては常識でも、
誰かにとっては非常識なことをしているかもしれません。
知らず知らず失礼なことをしていても、気付かないかもしれません。



取引先を検索したら、同名の他社だったとか、
訪問先の担当者のことを調べていたら、
その情報が古かったとか、
途中までは検索方法はあっているのに、
最終アプローチで間違えてしまうことがあります。



このズレはどうやって埋めたらいいのでしょうか。



こうした検索行為を、
少数規模であれば、環境設定や利用ルールで画一化に近づけることは、
ある程度までは可能です。



ただ、最後のクリックの瞬間までは制御できません。


なぜなら、到着地が明確な検索なら、
最初からサイトURLを教えあえばいいのですが、
だいたいこの話題、というあいまいな場合は、
どれが正解かは誰もわからないのです。


URLを教えあっても、ローカライズ設定などで表示言語が違う、
ということだってありますね。


検索行為は、個人個人が好きなリンクを意識的に、無意識に押して、
それで情報を得たと満足してしまうのです。
だいたいあってる、だいたいそんな感じと、
答えあわせをしないまま進んでしまうのです。



皆が自分が正しいと思い込み、10人が別々な検索結果を見ていたら、
どんなことが起きるでしょうか。


その結果、微妙なズレがあって、もし仕事に影響があるなら、
私たちの検索行為はどうであればいいのでしょう。
試行錯誤しながら、軌道修正してみても、答えは見つかりません。


技術が発達しても、
人と人のやりとりが最後をつなぐキーとなる。

クリックする瞬間までは、見届けられない。


レイティング技術があっても、それでは足りない。



あなたと私は同じ言葉で調べて、
入口や経由地点や環境設定が違っても、
同じ場所にたどり着いて、今、同じサイトを見てる?



サイトが違っても同じ情報精度のサイトを見て、
話はかみ合ってる?


あなたと私は同じものを見ている?
と、私は心で繰り返しながら、ズレを確認しながら、
話をすることが多いです。


正解はない。
でも、その情報に最適なものはある。


私は、何とかという単語で調べればいいじゃん、
と気軽には人に言えません。
その人が、何とかという単語にどうアプローチするか、
その人の検索スキルもわからないからです。


利用するのが、PCなのか、ケータイなのかでも違いますね。



何とかという単語を、どうやって調べるかまで指定しても、
それでもまだ足りないのです。


このエントリーに、何が正解かはありません。
正解があれば、教えてほしいです。


私自身、誰かと検索を使った後で仕事をするときは、
インターネット上で、あなたと私は同じものを見ている?
同じ知識を得ている?
同じことを考えられる用意は整っている?
と、何度も心で繰り返したり、言葉で確認をします。


だから、検索は技術の広がりが面白く、怖くもあるのです。


検索って奥が深いなと、もっと知りたくなるのです。



さて、
あなたはどうやって、検索迷子までたどりついてくれましたか?


では、また。