はてなブックマークは誰のものか


こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
はてなブックマークの初削除を体験し、
喜びがネガティブな感情に変わったという話、
です。


ブックマークは個人のものか、双方ものか。


たまたま今日、過去のエントリーでブックマークされていたものが、
削除されているのに気付きました。
はてなブックマークは、削除ができるというのは知っていましたが、
削除をされたのは初めての経験です。


削除に気付いたときに感じた違和感と、
過去、私がインターネットサービスの作り手だったときに受けた、
お客様からの猛烈なクレームの体験が重なりました。
そのことを今日は書きます。



検索迷子は、初めて1か月ちょっとなので、
どのエントリーがどれくらいブックマークされているのか、
なんとなく覚えていられる範囲でした。


それで、今日たまたま、
あれ、これブックマークが一つ減ってるかもとすぐに気付きました。
さすがに、どなたがということを調べはしませんでしたが、
一瞬、あー、消されてる。どうして?
というネガティブな気持ちになりました。


私は、検索迷子としてまだ、はてなブックマークを使っていません。
理由は、
ブックマークする側が絶対的な主導権を持つ機能で、
ブックマークされた側を、もしかしたら、
ブックマークをしたことでかえって傷つけてしまう機能かもしれないと、
直感的に思っていたからです。


たとえば、
大手ニュースサイトなら、母数が多いので気軽にブックマークや削除ができても、
個人のブログに対しては、慎重になってしまうと思います。
ましてや、ブログ初心者にとっては、
そのわずかなブックマークが精神的に支えとなってしまうかもしれない、
気軽に使いにくい、少し怖い機能と思えるからです。



私は今日、
削除機能を事前に知りながらも、何故消されたのかと、一瞬だけ傷つきました。
そこに、ブックマークをしてくれた人の悪意はないだろうにも関わらず。
たぶん悪意は持たれていないと思いますが、真意はわかりませんね。


その、真意がわからない、というブックマークされた側の憶測が、怖いのです。
そこが、この機能の光と影を演出してしまう部分なのです。
一度注目してくれたものを、消すってどういうことだろうと、
いらぬ詮索をしてしまう気がします。


同じ機能でも、する側される側で、違う視点が生まれる。


ブックマークは、その名の通り、ブックマークをするだけなので、
本来、個人のものです。
ブックマークをするのも、消すのも個人の自由です。
傷つく度合いのことではないと、頭ではわかっています。


でも、ソーシャルブックマークには、双方向性があります。
誰が誰のをブックマークしたかが共有されて、公開されます。
非公開機能もあるようですが、今回はとりあえずそれは除外して話を進めます。
ブックマークされた側は、誰が自分のブログをブックマークしてくれたかを、
知ることができます。


個人の初心者ブロガーは、わずかなブックマークに喜びを見出し、
ブックマーク数にやブックマークをしてくれた人に対して、
自分を評価してくれた、
この人は自分をわかってくれている、
といった喜びを持ったり、励みにしたりとプラスの感情を持つように思います。


つまり、本来はブックマークをする側の自由な行為が、
ブックマークをされる側にとっては評価とも受け止められて、
削除をすることが、
一度もらったものを奪われた、
という感情を引き起こしてしまいます。


せっかく、一度はブックマークしてくれて、
自分のブログをいいと評価してくれた人に対して、
削除されたことによって、
なんでこの人、わざわざ自分のブログを消したの?と勘違いしてしまいます。


削除をした方は、まめな方なのかもしれません。
ブックマークがたまりすぎたから整理しただけかもしれません。
あるいは、一度見たからもう不要と思ったのか、
他の何らかの理由で、他意はなく、
ただのひとつのURLという感覚で削除しただけかもしれません。


でも、一度ブックマークされた側にとっては、
初めてのブックマーク、
燦然と輝くブックマーク、
たった一つのブックマークだったかもしれません。


この、
保存の機能として使うブックマークする側と、
評価や褒章と受け止めるブックマークされた側の、
温度差のズレはとても怖いと思いました。


一度、渡したものを取り上げると、大クレームになる。


私が携わったインターネットサービスには、
加点・減点のシステムが公開当初からありました。
ただし、サービスの主流とは考えていない機能でした。


不適切行動者の減点は別として、
多くの利用者は常に加点されるシステムでした。
それでも仕組み上、良質の利用者でも本人が悪意がないにも関わらず、
減点せざるをえない状況に巻き込まれることが当時ありました。


その仕組みについて、猛烈なクレームがきました。
せっかくがんばってこのサービスに参加しているのに、
なんで減点するのか理由を説明しろ、
取り上げた点数を返してくれ、
なんで他の人は取り上げず自分だけなのかなど、
とにかく、「一度もらったものを取り上げた」ことへの怒りが爆発していました。
ちなみに、それは金銭的価値のないバーチャルなものだったにも関わらずです。


毎日使い続けるモチベーションが、
点数の増加がささやかな楽しみだった人にとって減点は、
自己否定をされた感覚に近いのだとわかりました。


コツコツと活動してきて、少しずつ貯めた点数が、あるとき減点されてしまう。
しかも、減点なので、
加点でもらえる点数よりも数字が大きく、余計に徒労感があったのだと思います。
怒りだけでなく、憎しみまでもたれていたように思いました。


このとき私は、
バーチャルなおまけ的につけた点数だからと、甘く見ていました。
ちょっとしたカウンターのような、通りすがりの機能の感覚でした。


ところが、お客様にとっては、
それが最大の評価であり、モチベーションだったのです。
お怒りになるのも当然でした。


このサービスにくれば、
誰かとつながっている喜びだけでなく、誰かに認めてもらえる喜びがある、
それが数字としてどんどん加算されて点数が増えていくのが嬉しい。
だから毎日訪問しようと思ってくれていたのです。


単なる機能の一つどころか、楽しみにしていることだったのです。
その唯一数値化された機能は、お客様にとって最も大事な機能だったのです。
毎日それを楽しみに訪問してくれる人の母数の多さに、本当に驚きました。
お金じゃ買えない価値が、
インターネットの世界にはあるのだと思いました。


あまりのクレームの多さに、
さすがに加点・減点のシステムは見直しが何度も行われました。


このように本来の機能と、
使い手にとっての理解が微妙に違うものは、
慎重に運用をしなければとわかりました。


ただのブックマーク、というふうに思えない人もいると思うのです。
ブックマークをもらうためにがんばっている人もいると思うのです。


なお、私ははてなブックマークを利用していないので、
表面的なことしか調べずに書いています。
誤解があるかもしれませんが、おいおい調べていこうと思います。


今日は、とりあえずこう感じたという、
一瞬の思いを残しておこうと思いました。


実は違う内容で書き始めようとして、ブックマーク減に気付いたため、
どうしてだろうと、しばらく書く意欲が失せていました。


だったら、もう、このテーマで書いてしまったほうがいいと思ったくらい、
がっかりしたのです。
削除は自由という仕組みがわかっていても、です。


なお、ブックマークをしてくださった方を責めてはいません。
むしろ、一瞬でもブックマークしていただいたことに、感謝しています。
見つけて読んでくださって、ありがとうございました。


私が伝えたかったのは、
「機能と褒章」のズレが、はてなブックマークにはあると思ったという、
初心者が感じそうな勘違いのことだけです。
誤解されませんように。



では、明日。またここで。


検索迷子