『予想どおりに不合理』な行動


こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
行動経済学の本、『予想どおりに不合理』で知った、
過去の自分の決断の後ろに並ぶ行動という話、
です。


行動経済学の第一人者に学ぶ。


以前から気になっていた、『予想どおりに不合理』を読了したので、
今日はその感想を書きます。


予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」



私は、行動経済学で卒論を書きたいと思っていました。
が、指導教授に、ハードルが高すぎますよと言われて、あえなく退散しました。
理由は、学術的にまだ価値を認められにくいということもあり、
一般学生が書けるテーマではないということでした。


「人は合理的に行動するもの」という経済学の大前提に沿って、
テーマを考えましょうと言われました。応用は無理なので公式通りにということです。


あいまいさを証明する行動経済学は、面白いのですが難易度が確かに高すぎました。
結果的に、行動経済学のテーマ選定をあきらめたのは正しかったのですが、
行動経済学は人間くささが出ていて、いまでも気なる学問です。


という事情はさておき、
この行動経済学の本『予想どおりに不合理』は、学術書というより、
マーケティング的な視点や、人の行動心理を理解する読み物として楽しめる一冊です。


インターネット業界に関わる人が読んでも参考になる内容として、

1章 相対性の真相
「おとり選択肢」

ここでは、エコノミスト誌のウェブサイト上の広告を事例として、
マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生を対象に、
三つの選択肢からどの広告を選ぶかの検証を行っています。


自分自身の後ろに並ぶ、とは。


私が、一番興味深く読んだのが、

2章 需要と供給の誤謬
自分自身に群れつどう

の部分でした。


これは、

最初の決断がどのような過程を経て長期の習慣に変わるのかを理解することが重要になる。

として、ふたつの事例をあげています。


1つめが、「ハーディング」です。

レストランの前を通ったら、(中略)「すばらしいレストランにちがいない」と考えて列の後ろに並ぶ。ほかの人たちも同じように列に加わっていく。このような行動をハーディング(ハード herdは「群集」の意味)という。他人が前にとった行動をもとにものごとの善し悪しを判断して、それにならって行動するときに起こる。


この部分は、よく言われる群集心理で、自分にもこういう経験あると思って読みました。


2つめとして、「自己ハーディング」を取り上げています。

しかし、ハーティングには、わたしたちが(注:著者のことと思われます)「自己ハーディング」と呼んでいるべつの種類のものがある。これは、自分が前にとった行動をもとにものごとの善し悪しを判断するときに起きる。要するに、一度レストランの行列の先頭になってしまえば、その後の経験でも自分の後ろに並ぶようになるということだ。

として、
スターバックスに初めて行ったときの経験が、いつのまにか習慣になっていくプロセスを例としてとりあげています。


自分の経験の後ろに並ぶ、ということ。


ここからは検索迷子としての感想ですが、私はこの部分を、
購買における習慣という意味合いとは違う観点で読みました。
成功体験や失敗体験が、その後の自分にもたらす心理状況に与える影響、
ということに近いのではないかと思ったのです。


特に、検索迷子としては、
過去の失敗によって、同じような操作を警戒してしまう、
自分の失敗の後ろに並んでしまうといった、
失敗体験のトラウマのような気がしました。
そのため、新しい操作に対して、失敗を恐れるあまり、
まずは拒絶から入るのだろうかと。


拡大解釈しすぎかもしれませんが、行動経済学の本の感想なので、
多少の解釈の自由度は多少はお許しください。
過去の失敗体験に並ばず、それをどう克服するか、
それは検索迷子の課題でもあります。


では、明日。またここで。


検索迷子