シニア層に広がるブログ。でも、、


こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
ブログ講習会はシニア世代で盛況、
シニア層にも優しい画面設計が望まれると思った話、
です。



■ブログ講習会の参加者の年齢層


ココログ主催のブログ講習会に参加して、
会場となっていたパソコンスクールの教屋に入ったとき、
まず驚いたのが参加者の年齢層でした。
大半が50歳代以上、中には70歳代ではと思われる方もいらっしゃいました。


あれ、シニア向けってメールマガジンにあったかな?と、
一瞬、教室を間違えたかと思いました。
検索迷子と同世代と思われる方たちも数名いましたが、
圧倒的にシニア世代の方が多かったです。
男性8割、女性2割といったところでしょうか。


教室に入ったとき、
えー、もしかして、初歩の初歩、タイピングからとかやるの??と、
受講料に見合った講習ではないかもと不安になりました。


ちなみに、開催日は土日だったため、会社にお勤めの方も、
参加する気になれば参加できたと思います。


シニア世代と一緒かぁと一瞬、失礼にも思ったのですが、
考えようによっては、こんなにたくさんのシニア世代の方たちと、
同席してパソコンを使うなんて、検索迷子は初めての経験です。


よし、これはインターネットの普及度がわかる時間にもなるぞ、
この方たちの取り組みを参考にさせてもらおうと思いました。
私はマーケッターではありませんが、市場調査にもなりそうだな、
そう考えると、一日が楽しくなりそうでした。



■どんな人たちがブログを始めたいと思っているか


このココログ主催のブログ講習会は、
ブログを開設したいけど、どうやったらいいかわからないという、
まだココログで開設していないという人向けのものでした。


この講習会に参加する方たちは、
少なくとも以下のスキルが備わっているのかと、私は推測しました。

  • インターネットのスキル
    • メールを使える。
    • メルマガが受信できる。スパムと勘違いしない。
    • メルマガを読んで、ブログの講習会だと認識して内容が理解できる。
    • インターネットの申込フォームを使って送信できる。
    • 入金締切までに遅れることなく、入金を何らかの方法で行える。
    • 検索エンジンは、ある程度使えて自分で調べごとができる。
  • 人物像とライフスタイル
    • 知的好奇心があり、学ぶことにお金を投資できる。

(テキスト代含めて約15,000円、交通費、昼食代ももちろん自腹)。

    • 自発性があり、お金を使っても人から教わることに価値を見出せる。
    • 学ぶために、わざわざ休日に教室に出向く意思が持てる。
    • ブログへの認識はある。

知人がブログを開設している、または日常頻繁に閲覧をしている。

    • ブログに関心がある。でも、何らかの事情でまだ手がでない。
    • 必要なことは、人から教わる謙虚さがある。
    • 1日6時間の受講に耐えられる集中力と、速習意欲がある。

失礼ながら、
正直、シニア世代の方たちがこんなにインターネットに関心を持ち、
使っているのだというのが驚きました。
へぇー、こういうことってできるんだーと感心したこともあります。


ただ、受講してみて、シニア層の方たちができることにも、
限界があるということもわかりました。
あろところを境に一気に敷居が高くなるのです。


ときどき、講師の方の説明のあとに、
場がどんよりし、受講生はきょとんとし、
マウスの操作がとまり、ざわざわして周辺と聞きあって、
後ろからスタッフが、どうしましたか?と駆け寄ってくることがありました。



どこで、シニア層は立ち止まってしまうのでしょうか。



それは、

    • 文字が小さい
    • ナビゲーションがわからない
    • ボタンが小さくて押しにくい
    • 専門用語がわからない
    • 別ウィンドウを見失った
    • 画面の切替がわからない
    • 画面をたくさん使うと居場所がわからなくなる
    • アドレスバーって何?
    • ログインがわからない

こうしたいう声が、一日中やまなかったのです。



ココログさん、これは痛かったでしょうね。
もはやココログ独自のことでも、ブログ独自のことでもない、
そもそもインターネットサービスのベーシックな機能の部分の指摘が、
大半だったからです。


文字が小さいって、
インターネット用語がわからないって、
そのときいるスタッフだけでは、
今すぐなんともしようがないこともありました。


でも、おかしかったのが、
ココログの講演会なのに、
ココログがどこにあるかわからない!という声でした。
http://www.nifty.com/


たしかに、これだけ知名度がありながら、
ニフティトップページには、
右側広告下の小さいテキストリンクしかありません。
大手にとっては、1つのサービスだけを目立たせるわけにいかず、
それも仕方ないのかもしれません。


ちなみに、ブログという言葉はありますが、
受講者は「ココログ」講習会のため、頭の中は「ココログ」で、
ブログというリンクを押すなんて考えていません。




■インターネットをシニア層の生活必需品にするために


インターネットの会社は、
平均年齢が30歳前後のところが多く若者社会です。
また、一般的には男性が多いです。
違うところもあるでしょうが、少し大げさめに仮定して書かせてください。


つねづね私は、
インターネットが生活必需品になりにくく、
ユーザビリティがなかなか向上しない一因は、
若くて賢い男性が作っているからだと思っていました。
あと一歩の思いやりが不足し、
本来、誰が使ってもいいサービスが、幅広い年代層に定着しないものがあります。


今回わかったのは、
シニア層でも、ブログを初めとしたコミュニティサービスを、
使いたいと思っている人はいても、
シニア層に使えるようには、作られていないかもしれないということでした。



もちろん、
作り手の年代や性別の偏りが原因、そればかりではないと思っていますが、、
あえて私見を承知で、極論を書きます。不快に思われたらすいません。


後述するこの講習会での意見を、かつて、
自分のサービスの声としてシニア層の声を聞いたことがあるでしょうか。
もしないようでしたら、
作り手の方たちが少しでも、考えていただければいいなと思います。



■できない、わからない人の気持ちに寄り添えるか


弱者視点がまだまだ足りない理由は、
若い男性は自分では何でも操作ができたり、マニュアルを見れば、
たいていのことは自力でできてしまうことが原因だと思います。
事実、できてしまうのです。


そのため、できない人の視点が不足してしまい、
もっと説明が必要なことや、踏まなければならないステップの実装、
その他いろんなことを省略しがちと思っていました。



インターネットの世界でより早く市場にサービスを出し、
機会を逃さないために、公開を早めたいというのは理解できます。


また、新しいことがいいこと、早いことがいいこと、
最低限使ってくれそうな層に向かって作ること、
それがとても必要なことだとも理解しているつもりです。


いつの日か、
とりあえず作って公開するといったスピード以外の切り口で、
シニア層がのんびり使えるサービスが公開されるといいですね。
作り手のご両親や、身内の方が使えるサービスになっているか、
そういう、若者以外が使うことを想定した、
弱者の視点で作る日もいつかあるといいなと思います。



私はよく、操作で失敗すると、
書いてあることができない理由や、
なんでできないのかがわからないと言われてしまいます。


なんで間違えるのかが理解できないとまで言われます。
自分でできない人にとって、これはとても残酷な言葉ですし、
そこから脱出することができない気持ちになります。


私はインターネットの世界に数年いますが、
何回かに一度は、何かのダウンロードを失敗してやり直します。
ほぼ毎日、人に操作方法をあきれられます。
間違えるのが怖くなって、新しい操作をしたくなくなることもたくさんあります。
失敗体験って気持ちを萎縮させます。



■人に聞いてできるなら、人に聞きたい


でも、検索迷子は、
どうできないかを果敢にも言葉にすることにしました。
それまでは、インストールをあきらめたり、
最善の方法があると頭ではわかっていても、できないことはやりませんでした。


人に上手く出来ないと話すことで、
1つでも相手が、ああ、ここを直せばいいのねと気付いてくれたり、
建設的なアドバイスをくれるのだから、
失敗したことを口にだそうと思いました。


その1つが検索迷子の開設でした。
検索迷子は、自分の失敗を踏み台にして、
プロの検索迷子の道を歩むのです。


シニア層の受講者の方たちは、考えようによっては、
お金を出して講習会に来なければ、誰にも教われないのですよね。
身近に聞ける人がいない。
あるいは、インターネット上で解決できない。
だから、講習会というリアルな人がいる場を求めてきたのです。


また、私はインターネット業界の片隅にいながら、
インターネットサービスの作り手の経験がありながら、
聞ける人がたくさんいる職場環境にいながら、
あと一歩のことを、ばかにされると思って同僚に聞けなかったりしたわけです。
シニア層の方たちと比べて、俄然恵まれた環境にいながら、なぜ?


聞くと、自分で検索して調べたら、ヘルプに書いてあるよ、
と言われてしまうからでしょうか。
書いてあっても、自分の頭で変換できないからだったようにも思います。
聞きたいことだって多数あるのです。
私レベルの用語に変換してほしいと、何度も思ってきました。



こんな簡単なことを教えあえない、
助け合えないインターネットの世界っておかしいですね。
いったい、誰がインターネットスキルの標準を決めてるのでしょうね。
誰が、マニュアルを読めばわかるという姿勢を定着させたのでしょうね。


結局、リアルな講習会で人に聞く以上のことが、
まだ、インターネットの世界ではできていないのではないでしょうか。
一人のインターネット閲覧には、限界があるということですね。
良きナビゲーター、わからないと言える人の存在って大切ですね。


検索迷子は、その一人になりたいと思います。



ココログ講習会の話は、ネタがまだまだあるので、後日また。



では、明日。またここで。


検索迷子