愛犬から教わったネット活用法


こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
犬を飼って変わった、
プライベートでのインターネットの使い方という話、
です。



■衝動的に犬を飼ってしまった


数年前の今日、
ペットショップでかねてから気になってた犬と、暮らすことになりました。
それも、衝動的に。何の準備もなく。


今日、連れて帰りたいと思って、即、お金を払いました。
ペット不可の場所に住んでいたため、
同じ日に引っ越す場所も探して、わずか一週間で引っ越しました。


今まで犬を飼ったこともないというのに、
なぜか一緒に暮らしたいと思いました。
この事前準備不足があとあと響いてきました。


犬を飼って、生活スタイルは大幅に変わりました。
朝晩のお散歩に出かけるという暮らしのリズムもそうですが、
実は、一番変わったのは、インターネットの使い方でした。



私は、当時インターネットサービスを作る仕事をしていました。
会社では一日中、長時間に渡りインターネットを使い続けていました。
会社の時間だけでは足りず、生活時間の大半はずっと、
自宅からそのサービスの利用状況をチェックしていました。
土日もそんな状況でした。


犬を飼ってみて、業務としてのインターネット利用の時間は減り、
犬と過ごす楽しい時間が増えました。
しかし、困ったこともたくさん出てきました。
犬を飼うのを甘くみていたのです。



一番の緊急事態は、犬に必要な道具がわからないことでした。
最初はペットショップで、愛犬+スターターキット一式+餌の全部込みで、
値引きをされていたところを飼ったため、
場所以外に何も用意する必要がありませんでした。


ところが、どんどん餌が減っていきます。
さすがに買わなければと、犬を売っていたペットショップに出向きました。


すると、
「最初は、餌をサービスでおつけしてるんですが、普段は売ってないんですよ」
「あの、どこで餌を買えるんですか?」
「あー、インターネットで買えますよ」
「え? インターネットのどこでですか」
「どこでも買えますよ。ネットで買うと安いんですよ。私も使ってますよ」


インターネットで買うことが当然というトーンに、
使ったことがないんですけど、、、とは言い出せませんでした。
どうやってお店を探せばいいのかも、何というお店なのかも、
何を基準に買えばいいのかもわかりませんでした。


私は、餌はお店で直接、買うものだと思っていたのです。
近くに他にはペットショップやペット用品店はありません。
餌が買えない、どうしよう、犬が餓死してしまうと焦りました。
途方にくれました。


それに、ペットショップの人のほうが、
インターネットサービスを使っているというのも、
インターネット業界にいる私としては衝撃を受けました。
私の知らないことを、普通に知ってるんだと思いました。



■ネットショッピングを使ったことのない作り手たち


私は、当時、インターネットで買い物をしたことがありませんでした。
サービスがあることは知っていましたし、
自分が働いていた会社のサービスにもありました。
ところが、インターネットで買い物をする必然性があまりなく、
利用したことがなかったのです。


インターネットサービスを作っているのに、まさかと思うかもしれませんが、
その時代、インターネットサービスの作り手でも、
利用者ではないという同僚はたくさんいました。


理由はいくつかありますが、
まず、会社では業務でインターネットを使っているので、
プライベートでは気分転換も兼ねて、
リアル店舗で買い物をしたいという人が多かったような気がします。


また、インターネットで買うほどのものはない、
手にとって品物をみたいといった、
品揃えや情報の確かさへの疑問もあったようです。


さらに、支払いにまつわる安全性の不安や手間への声もありました。
クレジットカードなら個人情報が大丈夫か、
銀行振り込みなら振込みの手間がかかる、
それならリアル店舗でいい、ということでした。


また、買うことが簡易でも、受け取りの手間を気にする人もいました。
宅配物を待つための受け取り時間の制約や、
宅配ボックスがない場所では対面で受け取るわずらわしさや、
あるいは現金を用意するなど、
自分から店舗に出向くよりもネットの方が面倒ということでした。



私も、仕事以外でインターネットは使う気がそもそもなく、
手にとらないと信用できない現物主義であり、
クレジットカード情報が漏れてしまわないかを心配する一人でした。



■ネット以外に買う場所がない、と必然性があって使い始める


でも、ネットショッピングが怖いとか、面倒とか言ってる場合ではありません。
成長期の食欲旺盛の子犬に、餌を今すぐ買わないとと焦りました。
いつでもお店で買えると油断していたため、あと数日分しか餌がなかったのです。
早速、ショッピングサービスに会員登録して注文をしました。


始めてみると、びっくりするほど簡単でした。
安全性を確保する仕組みもありました。
そして、何キロもある餌を配達してもらえることが、とても便利だと思いました。


また、好きな時間に注文できたり、
休日に犬と遊ぶ時間を確保できたり、
複数店舗で比較検討ができたり、レビューで評判をみたり、
自分の犬と同じ犬種を飼っている方の情報を参考にしたり、
何もかもいいことづくしでした。


犬用品はドラッグストアやスーパーでも売っていると、
だいぶ後になって知りました。
犬を飼う前は無縁の棚だったため、飼った頃はそれに気付きませんでした。
けれども、リアル店舗で買うことはほとんどありません。
便利さに慣れてしまったからです。


今では、犬用品以外でも、大半のものはインターネットで購入しています。
リアル店舗で買い物をするといえば、食料品くらいかもしれません。
それくらいショッピングサービスは、暮らしにとって不可欠なものになりました。



■しつけも、健康相談も、他の飼い主さんの話題も、愛くるしい写真も


犬用品のために、ショッピングサービスを使うようになっただけでなく、
犬にまつわることを全て、インターネットで探すようになりました。
近くに犬を飼っている知り合いや、経験者がいなかったのです。


まず、犬にとって一番大事な、しつけの方法がわからないのです。
人間と暮らすためには、マナーを教えなければなりません。
お手、と手を差し出せば自然に、ぴとっと手を乗せてくれると思ったのに、
やってくれないのはなぜ?
お座りといっても、ぴゅーんと走ってしまうのはなぜ?
名前を呼んでも、あっちを向いてるのはなぜ?


お散歩していても、好き勝手な方にぐんぐん歩いていってしまう、
なんでも噛む、突然ぐるぐる回りだす、好き勝手な場所に粗相をする、
もうこのまま、わがままな裸の王様になるのかと思っていました。


健康面でも、困ったことがたくさんありました。
おかしなものを飲み込んだ時の対処がわからない。
おなかの調子がおかしいときにどうしたらいいかわからない。
熱いのか、寒いのかもわからない。
足の裏についたガムの取り方がわからない。
ほとほと困りはてました。


私は、犬を飼うとき、かわいいだけのぬいぐるみを飼った気分でいました。
でも、犬は生きているのです。感情を持っているのです。
いろんなやんちゃなことをし放題でした。
何もかもが思い通りにいかないことに手を焼いていました。
喋ってくれない犬を相手に、こっちが泣きたくなりました。



そんなとき、コミュニティーサイトを見たり、
同じ犬種を飼っている方のブログを見たり、
ペットクリニックのサイトを見たり、
他の方の犬の写真を見て、愛犬の発育状況と比べたり、
それまでのインターネットライフで、
無縁だったものをどんどん探してみるようになりました。


子犬が成犬になるまでの一番手がかかった一年間、
何もかもが手探りで、不安でした。
かわいいだけでは飼えないのだと痛感しました。


自分が守ってあげる存在、
喋れないからこそ様子を汲み取ることができるのは自分だけ、
そして、飼った以上は最期まで命を預かる責任も感じていました。
困ったことがあると、あらゆる犬関係の情報をネットで検索していました。


仕事の単なる道具だったインターネットという場が、
愛犬を飼ったことで、プライベートではなくてはならないものになりました。
困ったことをとにかくすぐに解決するため、
未知なサービスやサイトの利用が進み、インターネットの使い方を速習したようです。


不思議なものです。
楽しいコンテンツよりも、困ったことを解決する暮らしへの必然性が、
インターネットを使い込ませるのだなと思いました。



■はじまりはいつもキーワード検索から


どこにどんなサービスがあるかも知らないとき、インターネットの利用は、
まずは検索から始まるといっても過言ではないと思います。
検索迷子を救うために不可欠だと思っているのは、だから私にとっては検索なのです。


使い方を知らない層にとって、
まず理解できる操作は、検索窓に文字を入力して、検索ボタンを押すことです。


インターネットサービスに関わるとき、
コンテンツの充実を考えたり、求めている方もたくさんいるでしょうが、
私は、検索機能が生命線だと思っています。
自分が、今すぐ知りたいということを探す苦労をしたからでしょうね。



愛犬はすくすくと育ち、
家にやってきた記念日にと、いつもより奮発したおやつを元気に食べています。



インターネットがあったおかげで、
愛犬との暮らしが豊かになり、
インターネットをプライベートで使う幅が広がりました。
会社での長時間のインターネットよりも、
個人としての情報の必然性が速習スピードをあげてくれました。


私は愛犬にインターネットを教わったような気持ちです。
何がきっかけで、インターネットの使い方が変わるかは、
わからないものだと思いました。



では、明日。またここで。


検索迷子