『アルファブロガー』掲載の方たちの力


こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
アルファブロガーが何かを知らず、
サイトや著書を見ていた日々という話、
です。



アルファブロガーって、何?


一年前のこと。
新聞の書評か何かで紹介された『弾言』に興味を持ち、取り寄せて読みました。



弾言 成功する人生とバランスシートの使い方 小飼 弾 山路 達也 (単行本 - 2008/9/25)
弾言 成功する人生とバランスシートの使い方



会計処理で使うバランスシート(貸借対照表)の考え方を、
個人の働き方や生き方に応用するという発想が面白く、
読後すぐに知人に本を薦めました。


すると、その人は、
アルファブロガーの小飼さんの本、読むなんて意外ですね。」
と言った。


「ん? アルファブロガーって何?」
「えー、小飼さんって知らないんですか。なのに読んだんですか」
「うん、知らない。でも、面白かったよ。ところで、有名な人なの?」
「ほんと、インターネットの世界に疎いんですねぇ。ダンコガイを知らないなんて。
ブログ書いてる人ですよ。しかも発言にかなり影響力があるんですよ」


「確か、本にブログやってるって書いてあった気がする」
「いやいや、ブログの世界で知らない人はいないくらい凄い人ですよ」
「ふーん。そんなに凄いんだ。だから本を出そうって話がくるんだね。
ところで、アルファブロガーって何? 団体?会社?ベータブロガーとかもいるの?
野球のセリーグとか、一軍とか、そういうこと?」


相手は口あんぐり。


ブログの世界で有名人がいるというのは、なんとなく知っていました。
ただ、世の中に影響を与えたり、リアルな社会に登場する人という認識はなく、
インターネットの閉じた世界だけで活躍されているかと思っていました。


また、私のインターネットに対する考え方が、
個人が発信するものを受け止めるというより、
そこに携わる人はサイトを運営する管理人と見ていて、
人に着目をして記事を読むことはあまりありませんでした。


ちなみに、インターネット業界の片隅で私は仕事をしています。
なのに、知りませんでした。


インターネット上の記事の読み方や距離感は、
人によってまるで違うのだなと思いました。
誰かにとっての当たり前は、誰かにとっての未知なことなのです。
インターネットを使ってるといっても、見ているものは人それぞれなのです。



■『アルファブロガー』で、ブログは個人が発信していると実感


私は、それまで、
ブログや個人に着目して記事を読んだことはありませんでした。
いい記事は、発信するサイトからのものという印象でした。
誰が発言したかより、どのサイトからか。
ブログかどうかより、どのサイトからか。
というサイト主体の見方だった気がします。


ブログや人に着目してきたことがなかったため、
アルファブロガーとは何かをもう少し知ろうと思いました。
インターネットで検索すると情報が出すぎて、混乱しそうだったので、
あえて本で読んでみることにしました。



アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブ... (NT2X) FPN、徳力 基彦、渡辺 聡、 佐藤 匡彦 (単行本 - 2005/10/21)
アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから (NT2X)



この『アルファブロガー』は、4年近く前のものになります。
インターネットの世界のスピード感では、
もう内容が古いかなと思いながら読み始めました。
4年前のサイトはもう大半消滅しているかもと思いながら、
残っているところが定番の指標にもなりそうと思って読み始めました。


読み始めて驚きました。
ほとんどが、4年経過した今も現役の人気サイトなのです。
そして、
掲載されているサイトの大半を、私は見たことがありました。


中には、ひんぱんに見ているものもありました。
それが、ブログ、アルファブロガーによるもの、
という意識がなかっただけだったとわかりました。


失礼ながら、アルファブロガーの名前を連ねている方で知っていたのは、
梅田望夫さんだけでした。
梅田望夫さんも、ブログで知っていたのではなく、
ウェブ進化論』を読んだことがあったから知っていただけでした。



ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) 梅田 望夫 (新書 - 2006/2/7)
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)




■何に着目してブログを読むか


ブログに対する見方もや接し方にも、いろいろあると思いました。


この人が書いた記事はいい、
この記事を書いているこの人がいい、
この記事は誰が書いているかは知らないがいい、
このサイトの運営者はいい、
このサイトはいい、
それぞれ着目点が違いますね。
どんな楽しみ方でもできるのがブログなのでしょう。


私は、アルファブロガーという言葉さえも知りませんでしたが、
発信されているものに接触はしていました。
このサイトはいい、この記事はいいという見方で。


確かにいえることは、
名前を存じ上げなくてもサイトを知っていたということは、
書き手の発言やサイトの影響力が、
ごく自然に社会になじんできたのかということです。


何からか、誰からかということ抜きに、
情報の良さで受け入れられている、
情報ソースの一部に定着している、
ということの表れかなと思いました。


情報としてすばらしければ、
書き手の主張がしっかりしていれば、
誰がとか、どのサイトでとかいう先入観なしに閲覧し、
インターネットの世界に疎い層にも届くことがあるのです。


だから、私のような鈍感な人間でも、サイトを見たことがごく普通にあり、
情報の先端にはいないものの、
取りこぼさずにその周辺にいられる、
インターネットは、そんなことが起きる不思議な世界だなと思いました。



■個人と会社の距離感を変えるアルファブロガー


アルファブロガー』に掲載されている方のなかには、
はてな伊藤直也さんもいます。


会社の一社員が名前を出して、ブログで情報発信していられる、
少し前までそれは考えにくいことだったと思います。


実際には伊藤直也さんは、はてな入社前からブログを始めていますが、
現在でも、
伊藤直也さんとしてアルファブロガーであり、
はてな伊藤直也さんでもあります。
ここに、個人と在籍する会社の距離感はありません。


その平等さ、個を尊重するところ、
仕事の一部としても許容されていること、
それ自体が驚きの連続でした。
でも、今の時代では、なぜか違和感もなく受け入れられます。


個人が発信できる自由さはブログならではのことか、
はてなの社員だからなのか、
ちょっとまだわかりませんが、
ブログの世界を少しのぞき見て、今はこれもありなんだなと新鮮に映りました。


私もこのはてなダイアリーを始めるとき、
実名で、顔を出していくかをかなり検討しました。
きちんと書いていきたい気持ちがあったからです。


結局、知人に止められて、
過去に仕事に関わった方たちに迷惑をかけない範囲を考慮し、
事前にどの位の濃度で書くかを考えて、実名で書くことをやめました。
普通の人は、静かに始めて、たんたんと続けたほうがいいと思いました。



■牽引者としてのアルファブロガー、参加者としての大多数


アルファブロガーと呼ばれる方たちの凄さは、
アルファブロガー』に掲載から約4年経過した今でも、
サイトを継続して運営し、アルファブロガーであり続けていることです。


そして、アルファブロガーと呼ばれる方たちは、
だいたい2003年前後にブログを始めている方たちばかりでした。
今から6年も前のことです。


私はその当時、月に3時間といったインターネットライフでした。
その頃、インターネット上で個人として情報発信するなんて、
考えてもみませんでした。


怖いというのもそうですが、
自分が書いたものに価値はないだろうという気持ちもありました。
同じ時代を生きて、全くインターネットに対する取り組み方が違います。


インターネット業界の先駆者として、
アルファブロガーの方たちは今もなお活躍されて、その数も増えています。


これからブログを始めようとする追随者は、
たとえ数年遅れていても、
気付いたときからついていけばいいのかと思いました。


始めるのに早いも遅いも気にせず、
もう、普通に始めようと思う場にブログはなっている気がします。
追いつくという感覚でもなく、ただそこに参加するだけでいいと思います。


遅れていた人も、追いつきたいとその場に参加することができて、
疎外感もなく受け入れてもらえる、
それが今のインターネット時代の良さであり、普及度なのだと思います。


たとえば、ごく一部の人が、
NIFTY SERVEで、パソコン通信サービスを利用していた時代、
通信で誰かとつながることは、ごく一部の技術好きな方たちの世界でした。
その敷居の高さを、インターネットやブログは、
一般の人たちの暮らしに定着させたのだなと思います。


ブログを開設するところまでいかなくても、
ブログを自由に閲覧して楽しめるようになって、
一人ひとりが取り込める情報は、随分と広がっていったと思います。


何はともあれ、
日々、新鮮な話題を発信しつづけるアルファブロガーの方たちを、
はてなダイアリーを始めてわずか二週間の私が、
話題にすることが許される場にいて、
それがとても不思議な気持ちになります。


節度ある自由な発言なら許される、自由でいられる、
それも、ブログが面白い場だなと思わせてくれる要素ですね。



では、明日。またここで。


検索迷子