いつかより、今ほしいナビゲーション

こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
二日連続でリアル迷子になる予兆は数年前にあった、
いつかではなく、今すぐほしい機能と改善の話、
です。



■今日は路線情報サイトを使ってリアル迷子


昨日に引き続き、今日も仕事絡みで新しい場所にいきました。
昨日あれだけリアル迷子について語ったのに、
今日は路線情報を使い、電車で見事にリアル迷子になりました。


それは、
地下鉄で、同じ線が途中から複数の目的地に変わる線でした。
利用にあたっては、
途中駅で乗り換えてホームを移るか、
最初から目的地別に沿った車両を選んで乗るか、
乗車前に知っておく必要がある線でした。


その線は比較的新しく、
私は同じ線の逆方向を利用していたことがありました。
でも、今日の目的地方面の利用は年に一度あるかないかでした。


また、過去に乗り換えが必要になったことがなく、
乗換駅名も知りませんでした。
漠然と、違う方向に途中で分かれる線らしいということを知っていた程度です。


今日、仕事の資料を電車内で読みながら、
社内アナウンスの駅名を聞いていたとき、
ん、なんか違う?
と違和感がありました。
そこで初めて、あー、乗り換えがいる線だったかもと思い出しました。


私は昨日、目的地までの路線情報を調べていました。
でも、そのサイトの検索結果からは、
乗り換えが必要なことも、複数目的地行きがあることもわかりませんでした。


乗り換え駅は、途中経路として表示されていました。
しかし、私はそれを、
乗り換えが必要がないときにも経路駅が表示されるパターン、と読み取りました。


複数車線が乗り入れしているとき、途中から線名が変わることがあります。
ただし、それは実際には降りなくても、いいことが多くあります。
それと勘違いしたのです。


結果には、ひっそりと「●●行き」と書いてありました。
その、「●●行き」に隠された意味には、
複数の目的地行き車両があるから、これに乗らないと違ったところに行くよ、
だから、絶対これに乗りなさいよ、
ということのようでした。
でも私は、ただの終点表示だと読み取っていました。


初めてその路線に乗る人、
複数目的地に分岐する沿線を普段利用しない人、
同じ車両だけど、乗っているうちに線名だけが変わるのに慣れている人、
電車の利用の仕方は、その人の経験に依存します。


また、乗り換えを普段しない人が、目的地別の表示をじっくり見るでしょうか。
見る人もいるでしょうが、意図を汲み取れない人もいます。
今日の私のように。



結局私は、乗り換え駅を2駅乗り過ごし、
乗り換え駅まで引き返して、ホームを移動して正しい線に乗りました。
幸い逆方向は地名になじみがあり、間違えませんでした。


もともと運行本数も少ない線で、さらに不運にも休日ダイヤでもっと少なく、
なかなか来ない電車にイライラしました。
ゆとりを持って出かけたはずが、危うく遅刻しかけました。



■この線の検索結果のわかりにくさを、数年前から知っていた


ひとつの線が途中駅で分岐する路線は、多数あります。
ただ、それを忠実に表示してくれたり、注意喚起してくれるところは、
どれくらいあるでしょうか。
今回のように表示がつるんとしていて、
メッセージを読み取ることができないこともあります。


実はこの使いにくさや、この線の表示の危うさを、
数年前に知人に話したことがありました。
それを、いまさら思い出しました。
実際にその時点で、お客様からのクレームも寄せられているようでした。


ずっとあるクレームだったようですが、
他のクレーム数との相対評価では、
緊急度や重要度は低いものとされていました。


また、全体で見直さなければならない機能や、
新規で追加した機能などが、そのサイトには満載でした。


知人には、そういう複数目的地行きを有した線は、
国内全体の路線数に対して少ないから、
遭遇率は低いのではといわれました。
だから、優先順位が低いとのことでした。


いつか、時間ができたら見直すよと知人に言われました。
そして、今日、その機能は修正されていませんでした。
私は、数年前に自分が予兆していたワナに、見事にはまってしまいました。



■クセを覚えさせることを求めないサービスを


一度失敗すれば覚えます。
でも、できれば一度も失敗したくありません。
また、過去こうだったという経験で、
そのサイトのクセを覚えてはいられません。


それなら他のサイトを利用すると、
別のサービスに飛び出すことが出来る人もいますが、
利用環境が制限されている人たちにとっては、
その路線情報サイトしか使えないこともあります。


いつか直すではなく、
今、最適な状態で使いたいのです。
今日、迷子になりたくないのです。


作り手側にとっては、優先順位が低いかもしれないですが、
使う側によっては再発率が高い、
長期間なくならないクレームの定番かもしれません。


瞬間的には少なくても、
ずーっとじわじわあるクレームを、
少数派の意見といっていいことなのでしょうか。


今の私、今日の利用者一人ひとりにとって、
瞬時に使えて、間違えないサイトであってほしいのです。



■失敗に吸い寄せられるナビゲーション


私がここで書いていることは、
その時の一度きりの失敗や、たまたま出会ったわかりにくいこととは違います。
何度も違和感を感じたことを書き綴っています。
不思議なことに、使いにくいナビゲーションは何度見ても間違えます。
失敗に吸い寄せられます。


一度見て感じた違和感は、
まずは自分だけが使いにくいだけかもと、疑ってみて疑問を保留にします。
そして、何度も、日やコンディションを変えて試してみます。
それで、使いにくさを確信に変えていきます。


場合によっては、数年後にまた同じ違和感を持つことで、
本当にわかりにくいなぁとダメ押しするサイトもあります。


さすがにこれは修正したほうがいいと思うと、
他の人の意見も聞いてみて、何人かにどう思うか確認し、
修正の提案できる人がいれば、その違和感を言ってきました。



私は、仕事で一日に大量のサイトをチェックします。
利用者として、深く機能を使いこなすわけではありませんが、
数分でサイトの特性を理解する必要があるため、ナビゲーションを徹底して見ます。


コンテンツ内容よりも、何ができるところかを数分以内に判断します。
そのため、ナビゲーションが良くなかったり、
使いにくいものにはとても敏感で、わかりにくいことがわかってしまいます。
自分にとってだけではなく、利用者にとっての視点でです。


このように数分で下した印象や、判断は、
数年経ってそのサイトがほぼ同じなら、
また、同じ使いにくいところで確実にひっかかります。
つまり、
自分のサイトの良否を判断する目は、ほとんどぶれないのです。


私は自分のこのぶれない感覚を頼りに、
数か月後、数年後、このサイトにとって必要な機能は何かと考えます。
そして、自分だけが使いにくいわけではなく、
これが検索迷子を増やす、失敗に吸い寄せられる機能や表示だと思うものは、
声をあげようと思います。


こういう使いにくさ、わかりにくさの多くの疑問や提案は、
これまで言う場がなくてあきらめていました。
でも、これからは検索迷子に書き残していこうと思います。
小石をぽんぽん投げるうちに、
いつか1つくらい変更されるかもしれないと期待を込めて。


サイト名を書かないのは、特定サイトだけの修正ではないからです。
インターネットサービスに比較的多く見られる傾向と思われること、
どのサイトにも言える共通項だと思うことを選んでいます。
ナビゲーションや表記の問題を一般化して、解決したいと思うものを書いています。


ただ、いくら多数サイトを見ているといっても、
インターネットの総ページ数のうちのごく一部だとは思います。
主観に過ぎないといわれればそれまでです。



■今日の暮らしを支える、デファクトスタンダードになるために


それでも、
インターネットサービスの機能で、
デファクトスタンダード(「事実上の標準」)の機能といえるものは、
ほとんどない、と思っています。
つまり、まだまだ変える余地があるのです。
今、使いにくいと思うものを我慢して使い続けるなんてナンセンスです。


単体サイトだけが良くなることより、
インターネットサービス全体の底上げを切望しています。
誰かが違和感を口にしていかなければ変わりません。


私だけが一人でサイトのクセをわかって、使いやすくなることではなく、
どのサービスも使いやすくしてほしいのです。



地図情報、路線情報と、
インフラ系のサービス二つを使って、二日連続リアル迷子になりました。
暮らしに不可欠なインターネットサービスだからこそ、
もっと暮らしに貢献できるよう改善してほしいですね。


私がナビゲーションを真剣に考え続ける理由は、
もともとは自分が検索迷子になるのはなぜだろう?
他の人はどうなんだろうという疑問からでした。


自分の失敗をうまく説明し、
インターネットサービスに還元しながら生きる、
検索迷子を減らすために小石を投げる、
それが自分の使命かと思っています。


インターネットサービスをたくさん閲覧する目を持っているのに、
リアル社会では、インターネットサービスを利用しながら迷子になります。
へんだなぁと思います。



では、明日。またここで。


検索迷子