検索窓はサービスの顔

こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
検索窓で作り手の思いがわかる、
検索窓はインターネットサービスの顔、
です。



■検索窓は、サービスで一番よく見て使われる場所


未知のサービスを利用するとき、
まず目に飛び込んでくる場所、それは検索窓です。


インターネットサービスを利用するとき、私が一番気になるのは検索窓です。
デザインでも、知名度でもありません。
開いた直後に、そのサービスは何ができる場所かを瞬時に判断します。


インターネットで何か調べものをするときの目的は、検索か閲覧が多いと思います。
なんとなく開くということもあるでしょうが、
ここでは、何かの目的があって調べようとしたときの目線で書いていきます。


検索迷子は、検索迷子である自分を知っているので、
無駄に迷子になりたくないと思っています。
ちょっと難しそう、なんだかわかりにくそうと少しでも思ったら、
積極的には利用しません。


そのサイトが有名サイトであっても、
自分にとって優しくないナビゲーションなら、二度と開かないかもしれません。
他の類似サイトを使ってみようと思うかもしれません。



サイトを開いた瞬間の数秒で、
あ、これならできそうと思った時だけ、文字を入力してみようと意欲がわきます。


反面、使われない検索窓は、
ただそこに置いてあるだけといった熱意が感じられない、
閉店間際のお店といった雰囲気をかもしだしています。
ショッピングサイトに限らず、どのサービスにもこれは言えます。



■こんな検索窓は、少し苦手


私が、個人的にあまり好きではない検索窓です。
こういう検索窓でも、良いサービスはあるかもしれませんし、
私自身もこの検索窓パターンでも受け入れて利用しているものもあります。


あくまでも、検索迷子が初見で、
この先、このサービスを使ってみようと思い続けられるかの感想です。


ただの箱と検索ボタンのみのもの、
周辺に、使い方のナビゲーションや情報が不足しているもの、
何を入れれば、何が出てくるのか想像がつかないもの、
検索窓の使い方を事前に学習しなければならないもの、
プルダウンさせるもの
複数の箱があり、選ぶ要素がおおいもの
ページ内のどこにあるか瞬時に探せないもの
ページ内に複数あるもの
タブ切替が瞬時に理解できないもの
検索オプションを使い込まないといけないと思わされるもの



ざっと挙げましたが、
これらは使いやすさと隣り合わせにある機能もあります。
何が最善かはそのサービスに求められるものによって違います。


一番いただけないのが、
文字が入れれば何か出てくるから、とりあえずやってみてくださいと、
利用者の任せの、突き放した検索窓です。


私は、検索窓だけでサービスの作り手の思いを推測します。
また、そのサービスの人気度や、コンテンツの充実度もわかります。


使い込まれている検索窓には、改良が加えられ、
お客様にとってより最適なものにどんどん変化しています。


数字の分析を行っているからというのもあるでしょうが、
どんな使われ方をするか、
どう使ってほしいかを、
サービスの担当者が考え抜いているという姿勢だと私は思っています。



■検索窓の共通の名前はあるのか


私は、自分がコミュニティーサービスを担当しているとき、
ある発見をしました。


お客様は、検索窓という単語を知らないのです。
よく考えたら、どこにも検索窓という名前ですという説明はありません。
箱の名前を定義しているところも、あまり見たことがありません。


これは、私が担当していたサービスだけでなく、
インターネットサービス全般に言えることです。

なんとなく、検索する場所、文字を入れる場所、
そういう場所というのだけが定着し、
インターネットサービス全般での共通語がないものだと気付きました。


もし、知っている方がいたら教えてください。



■体感的な名称で呼ばれる検索窓


そのコミュニティーサービスでのやりとりには、
検索窓のことを表現するいろんな用語が使われてました。


検索するときに、文字を入れる場所
上のほうにある箱
検索ボタンの左側にあるやつ
四角いところ
白い場所


つまり、場所とか、外観で表現されているものばかりで、
事実上、名前がないのです。


検索迷子たちは、検索の仕方を知りたいのに、
文字を入れる場所自体にたどり着くことがまず困難なのです。


どこで、何をすれば、何が見つけられるのか、
検索ボタンを押した後に、
何が検索結果として出てくるサービスか理解できるか。


そして望まぬ情報に飛ばされず、
安全で信用できるサイトにたどり着けるか。


私はこういう検索窓を作ろうと思いました。
その当時、検索窓は、
白い箱と検索ボタンのみの、そっけないものが主流でした。
私が在籍していた会社も、そのパターンを推奨していました。


が、それではわからない、検索迷子に優しくないから変えようと思いました。



■かっこ悪いと言われた検索窓が、お客様に支持された


そこで、検索窓周辺を
サービス名 サービスのアクションの特徴 サービス内に入っているコンテンツの内容
(文字の入力箇所の箱) を 検索(ボタン)


という検索窓を提案しました。


ポイントは、
今いるサービスがわかる
(宣伝にも、居場所を見失わないためにも効果的)


このサービスでできる操作、アクションがわかる
(何ができるか、他の人が何をしたのかわかる)


検索結果で何が出てくるかわかる
(どういう性質のものがこのサービスに蓄積されて、検索結果に出てくるか安心感がある)


検索ボタンとの連動性を、

の一言でつなごうとした。


自分は、この検索窓で文字を入れた後どうなるかを想像しやすくしました。
初心者、初見者を意識しました。



今は、このパターンはよく見かけますが、
当時は、

が入るだけでも格好悪く見えました。
それだけでなく、検索窓の上に文字まで配置しようとしていました。
ごちゃっとした、検索窓周辺になるのは明らかでした。


デザイナーや技術者から、
こんな格好悪いものは実装したくないと言われた記憶があります。



でも、どうしてもやりたかったのです。
強行突破で実装しました。



結果は、翌日すぐに表れました。


なんと、そのサービスの検索結果が数倍に伸びたのです。
お客様同士が、その検索窓の、
サービス名 サービスの特徴 サービス内に入っているコンテンツの内容

検索
というところに、文字を入れればいいんだよと教えあっているのです。



これには驚きました。


試しに、実装してから数年経過した今日、
その文字で検索をしてみましたが、数十件の検索結果が出てきました。


この検索窓は、今でも使われているんだなぁと感慨深くなります。


数字が出ている、
お客様が利用している、
この実績がある以上、
もし、この検索窓を変えたらクレームがありそうです。
このちょっとかっこ悪い検索窓は変えられないかもしれませんね。



検索窓のことは、継続して書いていきます。
検索迷子は検索窓のことを考えると止まりません。


では、明日。またここで。

検索迷子