それでも僕は夢を見る

こんにちは、検索迷子です。


夢と言う言葉を口にするのは、恥ずかしい。
夢がないのではなく、
道半ばな自分を受け止めきれないからとわかる。


夢に対する屈折した思いを、
歪んだ現在、過去、未来を、
ぐにゃりとした感覚を矯正させらる一冊を紹介したい。


『それでも僕は夢を見る』
水野敬也・作、鉄拳・画、文響社刊だ。

それでも僕は夢を見る

それでも僕は夢を見る



平凡に歩んだ人生の最期の間際、
捨ててきた夢が再び現れる。
夢も自分と同じように老化し、
もう霞んでさえ見える。


夢も老化する。
しかも、それは自分の心が作り出したもの。


この事実が痛い。
夢がなく生きる自分のそばには、
持っていた夢を描く気持ちすら老いてゆく。
心に持てる夢の領域は、
ひとつのかけがえのないもので、
私たちは、夢を持つか持たないかを選びながら生きてるんだ。


鉄拳さんのパラパラまんがは、
その絵がもつ力に引き込まれてきたが、
水野さんの文が加わることにより、
切なさがなおさらリアルになった。


命をくしけずるよう、
宛名のない手紙を書き、
生きたいと、
生きた証をなにかを残したいと切実に願う気持ち。


この切なさを、
老いて迎えないよう、
夢を見続けようと思った。


では、また。