散る桜、咲く桜


こんにちは、検索迷子です。


先週満開だった東京の桜は、
徐々に葉桜になっている。


少し暖かくなったら、
ゆっくりお花見を、と思っているうちに、
と構えているうちに、あっという間に、
花吹雪、花筏、葉桜に移り変わる。


どうもこの桜の開花から、
葉桜になるスピードになじめない。


北国に生まれ育ったせいか、
上京したとき、
桜が3月下旬に咲いているのにまず驚いた。


ああ、確かに全国区のニュースや、
漫画の挿絵で、
桜は入学式や入社式の象徴で、
サラリーマンが陽気に宴会をするもの、
ということはなんとなくわかってた。


でも、体に染みついた季節感は違うようで、
もう少し季節が進み、
クラスにもなじんだ頃の春の遠足、
という感覚が抜けない。


だから、よほど会社の行事で誘われないと、
あらためてお花見というのは、
出かけ損なう。


とはいえ、ペットとの散歩で、
朝晩、桜を堪能して、写真を撮ってはいる。


なのに、
桜はまだ先な感覚がよぎり、
季節感が現実とずれてしまう。


同じような感覚は、
冬になっても雪が降らない、
雪景色がないから冬になった体感がない、
ということにもある。


葉桜になるたびに、
ああ、また今年も何か春にやり残した、
そんなおいてけぼりな気持ちにさせられる。


散る桜があるから、
咲く桜の美しさを実感できるとはいえ、
葉桜になってしまったら、
確実に一つ、季節は前に向かっている。


おいてけぼりをくわないよう、
季節感の体内時計を研ぎ澄ませていかないと。


桜前線を追いかけて、
また北国の桜をみたいほどでもなく、
今、暮らすこの場所で、
いかに自分の軸をとらえ直すのかと思う。


桜の開花時期一つで、
体に染みついた自分のありかたを、
なんとなく知ってしまう。
それは、春の自分の風物詩みたいなものだろうか。


葉桜がまぶしい。


では、また。