チャンスをつかむビジネス・ゲーム

こんにちは、検索迷子です。


職業の選択肢として、起業を考えたことがありました。
あるいは、組織に残り続けるかを真剣に検討していました。


昨年、起業の可能性を探っていた時期に、
ジャーナリストの福沢恵子さんの女性向けの起業セミナーに参加しました。


私が福沢恵子さんを知ったきっかけは、
勝間和代さんがご著書で紹介されていた、
『会社の掟 知らない女性はソンしてる―ビジネス・ゲーム』を読んだことでした。
福沢さんは翻訳を担当されています。


以下、ご紹介する本は起業についてではなく、
組織のなかで働くビジネス・ルールを中心にした書籍です。

起業するにしても、組織にいるにしても、
他者との関係性のなかでしか私たちは生きられないため、
今、自分の働き方を迷っている人のヒントになることがあると思います。


会社の掟 知らない女性はソンしてる―ビジネス・ゲーム

会社の掟 知らない女性はソンしてる―ビジネス・ゲーム

この本は、1995年出版ですが、私が知った当初は絶版でした。
読みたくても購入できず、図書館で本を借り、
重要箇所をコピーをして、いたるところにアンダーラインを引きながら、
夢中に読み込みました。


現在は、『ビジネス・ゲーム―誰も教えてくれなかった女性の働き方』として、
復刊されています。

ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方 (光文社知恵の森文庫)

ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方 (光文社知恵の森文庫)


また、この復刊がされるまでの間、勝間和代さんとの共著で、
『会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール』が発行されています。

会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール

会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール

この本は、『ビジネス・ゲーム』のエッセンスをもとに、
日本の女性が実践的に楽しく読めるように工夫がされています。



私が最初にこの本を読んだとき、衝撃が走りました。
15年くらい前の本なのに、今読んでも古くないと思うような、
組織の体質がそのまま書かれていたのです。


この本の存在を知らずに働いてきたことが、
丸腰で戦場に出向いていたのだと思い知らされました。


組織の仕組みやルール、慣習や風土を知らずに、
なんとも無計画で社内を歩き回るための戦略をもたず、
ちょっとしたかけひきもせず、
全てを性善説でとらえて、のんびりした会社生活を送っていたのだ、
だから今の自分は何かが足りないのだと、
殴られたような気持ちになりました。


会社が常に戦場というわけではありませんが、
組織のなかで誰かと仕事をするうえで、
大なり小なり軋轢や誤解はつきものです。


もうすこし頭を使って、上司や同僚と接していかないと、
ただの仲良しグループか、あるいは、意味もなく反目しあうという、
子どもじみた対応をしてきたことに気づかされました。


仕事上で何かほつれを見つけたとき、
ちょっとしたことを上手く立ち回るために、
知恵や見通しがないといけないのかと思いました。


素直に、純粋に、目の前のことを一生懸命にやっていれば、
きっといいことがあるなんて、楽観的に考えすぎていたようです。
あの人は信用できるいい人だ、なんていう思い込みに、
いったい何の根拠があったのかと思いました。


だから、ときどき、手痛く人に裏切られたり、
仕事をもっていかれたり、プロジェクトが頓挫したり、
同じ目的を持っていたつもりの仲間と信頼関係が築けなかったり、
ああ、こういうことかと思う事例がたくさん出ていました。


つい最近も、二年間くらい信頼関係にあると思っていた人と、
大きな齟齬があるとわかり、修復もできないくらい話し合いも頓挫しました。

信頼の深さの違いにより、私自身は全面的に任せていたことが、
相手からすると私は、メリットだけを享受するパーツの存在でした。

そのズレに気づいた瞬間、仕事を一緒に続けることは無理だとわかりました。
お互いのために、一緒に仕事をする関係を解消することにしました。


理屈ではなく、どこかで信頼の糸がほつれかかっていることを、
私が見抜けなくて、頼りっぱなしでした。
バランスの悪い時間が続きました。
ただ、そのバランスの悪さに気づけて、最後はうまく整理できたと思います。


これは、お互いにとって、損切りになるのだろうという判断です。
人情で考えれば、そこまでドライにやる必要はなかったのですが、
ビジネス面でのつながりだけだったので、事務的にたんたんと精算をしました。


私たちは、仕事を通して日々誰かのために時間を使い、
誰かは私のために時間を使ってくれています。

この時間や量のバランスが崩れたとき、
やってやった、やってもらえない、みたいな憎しみにも似た感情がわきます。

人として対等な関係を築くことができないくらい、
お互いが未熟で、何よりも仕事の中身自体が揺らいでいたのかもしれません。



福沢さんのセミナー直後、
かなり私は触発されて、起業を検討していました。


でも、まだ当面組織の中にい続ける決断を、私はしています。
それも、いわゆる大企業というレベルのところで、
もうすこしやってみようと思っています。


今は、ベンチャーと言われる会社にいますが、
次に行くところは、大企業を予定しています。
大企業は過去二社経験があり、大企業は大企業なりの、
社会的影響の大きい仕事ができる面白さがあるからです。



起業をすることだけが格好のいい働き方ではなく、今はその善し悪しより、
組織のなかでどう働くかに集中しようと思っています。
セミナーでのお話はいったん心にしまっておこうと思います。

その代わり、
福沢さんの『ビジネス・ゲーム』の本を通して、
相手の要望に正しくこたえていく、
自分の考えを正しく伝えることの重要さを実践して、
タフな会社員になることをまずは目指したいと思います。


個人で起業できる人は、タフでなければ務まりません、
だからこそまず最初に鍛えるべきは、
人と交渉し、人を説得し、主体的に仕事をする力なのだと思いました。
起業してからのほうが、組織という守ってくれるものがないだけに、
かけひきの連続なのではないかと思っています。


交渉と説得の基礎スキルがない以上、
爆発的な天才的なアイデアで事業が起こせる人は別として、
組織に浸りきったサラリーマンの起業はリスクを伴いそうです。

起業前にサラリーマンとして、本当に役立つ、信頼されることが
何よりも大事だと思いました。
信頼してません、なんて言われるようであってはだめなわけです。


ということで、私は当面サラリーマンで自分を磨きます。


福沢さんの起業セミナーには、
いいアイデアを持った女性が多数参加していて、
一瞬、あー私もと心が揺らいだのですが、
あと数年先までその選択肢は脇においておこうとおもいます。


どんな仕事も信頼関係ありきですものね。


組織のなかで、とりこぼされないよう、
信頼される人になることがまず第一です。
地道に人のために役に立とうと思います。


起業をすると個人が全面的に看板を背負う分、
もっとシビアですからね。


では、また。