SPIやWebテストの意味

こんにちは、検索迷子です。


たまたま、学生さん同士で就活対策を話しているのを聞いた。
この就職難の時代に、50社受けるためにいかに効率よく活動するか、
すでに活動を開始した学生さんが、一学年下と思われる後輩に熱弁を奮っていた。


人が多く集まるお店だったのだが、
その学生さんの持論はこうだった。
企業なんて、面接で決めるのだから、手を抜ける筆記試験やSPIに力を入れるのは、
ナンセンスだ。
儀式的にやるけど、成績なんて見ていないよといっていた。


そして、なんと、
Webテストは替え玉がきくのだから、それを使わない手はない、
わざわざ勉強するくらいなら、得意な人に頼んで、
面接対策や企業研究に時間を使えということだった。


えーー、Webテストの替え玉って、、、とびっくりした。
Webテストは会場が決められて受験する形式と、
自宅受験形式があり、実際に私も自宅受験形式を経験したことがある。
新卒と中途とが同じ形式かまではわからないが、
確かに自宅受験ならば、企業から渡されるパスワードとURLだけがあれば、
受験猶予期間も一週間ほどあり、替え玉は可能かもしれない。
会場形式はどうなのだろう。


しかし、それにしても、替え玉受験をそんなに熱心に勧める姿を見ると、
誰もがやっている当然のことのように聞こえ、
誰もがやっていることなのかと思ってしまった。


私は、採用担当だったことがないため、本当に筆記試験やWebテストが、
重視されているかいないかというのは、正直何とも言えない部分がある。


でも、見ていないわけではない、ということはわかる。
少なくとも、基礎学力の面で応募多数の中でのふるい落としにはなるし、
国語、数学、性格検査、事務処理能力といった点でバランスはわかる。


実際に、新卒で卒業する際には、
成績証明書を提出するところもあるだろうから、
仮に替え玉受験をしようものなら、自分の得手、不得手と違う結果も出かねない。
数学の成績が悪いのに、数学問題がパーフェクトだったらおかしいとか。


道徳的に替え玉がどうの、というのはもちろんなのだが、
私は、替え玉受験をして、仮に筆記を突破して、
そのあとそこに就職が決まったら、困ることになるだろうから、
やめたほうがいいと思っている。


なぜか。
それは、新卒は中途と違い、職業経験がない。
そのため、新卒者の配属を決めるに当たって、成績を参考にすることは十分にありうる。
実際、私が新卒の頃は、同期がほぼ得意ジャンルに近い部門に配属になったり、
性格検査で内勤と外勤の仕事に、割と納得がいく配属をされていた。


だから、もし、極端に計算処理能力が高いと数字を扱う部門や、
開発部門などに行く可能性があったり、
国語力が高いと堅実な内勤の仕事になったりするかもしれない。


また、性格検査も自分たちが思っている以上に、
精度が高いということを知っておいたほうがいいだろう。
私は、新卒で入った会社で入社試験で受けた性格検査を、
入社数年後にもう一度受験する機会があった。
なんとその検査では、何年経過しても、
多くのパターンがある性格類型が、職業経験によっても、
変化しない人が多数いるという調査結果が出た。
仕事によって性格が大きく変わる人は少ないということだったのだ。


性格検査対策のために、明るく前向きな回答を選択しましょうとあるが、
そういうのばかり選んでいたら、間違いなく営業職だろう。
それでいいならいいが、あまりにも自分と違いすぎると、
自分で自分の首を絞めることになる。


実際のところは、詳しくはわからないが、
こうした試験は、一瞬の苦痛を回避することのために逃げるくらいなら、
現状の自分に見合った実力で受けたほうが、
長い職業人生のスタートを間違わずに済むのではないかと思う。
望まぬ配属をされたくないならば、自分の実力を受け入れてくれるところを、
素直に選んだほうがいい。


替え玉受験を画策するひまがあるくらいなら、
SPIを必死に練習するほうが健全だと思う。


一斉テストは、それなりに意味があると思っている。
同じ試験でも、きちんと準備する人もいれば、準備しない人もいる。
それだけで、仕事の段取り力を問われているような面もある。


転職もたいへんだと実感をこめて思うが、
新卒は新卒で本当に大変な時代だなと思った。


でも、転職者は自分でキャリアを作ってきたのだから、
自分の責任とも言える。
新卒は、まっさらな場所だからこそ、せめて統一テストくらいは、
踏み外さずにいかないと、それが社会に参加する一歩なのだから。


SPIにしろ、Webテストにしろ、
自分にだけ難しく作られた試験ではないのだから、
みんな同じものを最低限クリアできるかどうか、公平に実力が問われる。
面接で人物さえ見てもらえばと思いがちだが、
普通の事務処理能力が満足にない人は、さすがにどんな仕事も任せられない。


就職試験は、学校の試験とは違い成績を見るだけではない。
成績の分析をするのだ。強み弱み、精度、スピードなどを。
人はいいけど、ミスばかりみたいな人を採らないためにも、
職業人としての適性の結果の判定方法もあるのだ。


スピードはあるけど誤答ばかりとか、
慎重すぎるけど精度は高いとか、
それだけでもスコアがでて、採用可否に関わる。
そして、もし面接でどっちかと迷ったら、
意外と最後は成績がいいほうにするとか、
などと企業としても最低ラインを決めているのだから。


たかが試験と思うなかれ。
たかが試験ならば、企業はSPIやWebテストのためにお金を使わないだろう。
判定するためにあるのだ、判定されるためにあるのだと知っておいたほうがいい。


替え玉受験をして、もし入社が決まった人がいて、
今も安泰にしているなら、それはそれで要領がよかったのでしょう。
でも、そんな嘘をついてまで、入りたかった会社で、
こんなはずじゃなかったと悔やんでも遅いのです。


正義感だけではなく、自分のためにも、
ガチンコで受験したほうがいいですよと、私は言いたいですね。
想像に過ぎないこともありますが、テスト含めて就職なのですから。
そのテストを実施しようとすること自体が企業の体質なのですから。
私もいくつか転職するたびに、へー、各社の試験ってこんなに違うのかと思いました。
ちなみに、筆記試験がない会社は一社もありませんでした。
だから、新卒で手を抜いても、中途採用でまた勉強することになるかもしれませんよ。


仕事って楽には見つけられないよう、できているみたいです。
適職を見つける前に、基礎力を大切にしましょう。


では、また。