茨木のり子 の検索結果:

笑う能力の詩

… これから紹介する、茨木のり子さんの詩「笑う能力」を選んだきっかけは、 先日、草なぎ剛さんの語調を書き、 ファンのかたたちの温かい反応に触発されたことが大きい。 もともと好きな詩だが、この出来事があったことで思い出した。 折しも登場する単語が今が旬の、柿や洋梨と秋らしいというのもある。 子どものころから言葉の世界が好きで、 この検索迷子でもいくつも詩を紹介してきた。 詩を紹介するときはいつも、その詩を紹介したい理由があったのだと、 ふと気づかされた。 自分でもまさか、草なぎさ…

茨木のり子 この失敗にもかかわらず(再掲)

…に自分が紹介した、 茨木のり子さんの詩、この失敗にもかかわらず、を、 たまたま思い出した。 五月を織り込んだ詩だから、 吸い寄せられるかのように、 今この時期に読み返したくなるのかと思った。 この、五月の風と、静寂と、青々としたイメージは、 自分のなかで映像化されているのかもしれない。 二年前に自分が書いた、 詩の紹介のエントリーは、もはや自分の書いたものの感慨より、 純粋に、今の自分を励ますような、 まるで他の人が書いたようなものとして すっと自分のなかに入り込んだ。 ht…

茨木のり子 六月

…思い出す詩がある。 茨木のり子さんの「六月」だ。 過去に紹介したことがある。 http://d.hatena.ne.jp/kensakumaigo/20120701/ 先日、茨木のり子展に行った際、 茨木さんが、月刊雑誌の装苑に1964年1月から、 1966年12月まで詩の連載をしていた。 この、六月の詩は、 六月号の今月のうた、 という扱いで、 当初は無題だったのでは?と思った。 http://d.hatena.ne.jp/kensakumaigo/20140607/p1 …

茨木のり子展

…文学館で開催中の、 茨木のり子展に行ってきました。 自分が崇拝する詩人の一人である、 茨木さんの展覧会が、 地域催事日の入館無料日に観覧できて、 偶然とはいえ嬉しいことでした。 展示物を観ながら、意外な発見も多かった。 詩作に数多く触れていた気がしていましたが、 人となりや、暮らしぶりなど、 生身の人間としての茨木さんを知りはしなかった、 と、改めて気づかされました。 たとえば、 脚本を書いて、脚本の世界に言葉の表現の限界を 感じていたこと、 新聞の匿名書評を書いて時間が割か…

多部未華子さんによる、茨木のり子さんの世界観

…は、検索迷子です。 茨木のり子さんの詩集をよく手にするが、 写真とコラボした作品があったことをつい最近知った。 『わたしが一番きれいだったとき 凛として生きるための言葉』、 毎日コミュニケーションズ刊、茨木のり子さん著、 モデルは多部未華子(たべみかこ)さんだ。わたしが一番きれいだったとき ~凜として生きるための言葉~作者: 茨木のり子出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ発売日: 2010/01/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブロ…

茨木のり子「この失敗にもかかわらず」

…は、検索迷子です。 茨木のり子さんの詩集を手にすると、 思いのほか、何月、という時期を 入れた詩が多いことに気づく。 今日紹介するのは、五月になるのを待ちわびて、 ずっと紹介したいと思っていた一遍だ。 茨木のり子(いばらぎのりこ)詩、 『茨木のり子集 言の葉2』筑摩書房刊より、 「この失敗にもかかわらず」だ。茨木のり子集 言の葉2(全3巻) (ちくま文庫)作者: 茨木のり子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/09/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 7回…

茨木のり子「なれる」

…は、検索迷子です。 茨木のり子「なれる」を紹介したい。 同じ漢字を羅列して、 その意味の違いをひもとく、言葉遊びの詩がときどきあるが、 これはそういうものとは違っている。 茨木さんが亡くなったご主人に対しての記憶や思いが下敷きにあり、 思い出が詰まった言葉なのだとわかる。 「なれる」という言葉で、二人の歴史が浮かび上がる。 なれずに、親しさを深くする 茨木のり子(いばらぎのりこ)著、童話屋発行『女がひとり頬杖をついて』から、 今日は「なれる」を引用します。女がひとり頬杖をつい…

茨木のり子「内部からくさる桃」

…は、検索迷子です。 茨木のり子「内部からくさる桃」を紹介したい。 何かを乗り越えようとする手前、 ただうずくまり、立ち止まり、息をひそめるかのように、 嵐が過ぎるのを待つだけの時期がある。 そんなとき、でも立ちあがらなければ、 自分の現状を変えるために力を出せるのは、 自分しかいないのだと、 我に返って行動を始める。 詩の中にある強い言葉に、 目をそむけず、気持ちを奮い立たせるような思いを、 今持てるかどうか。 そんなことを考えさせられた一遍だ。 ひとりにだけふさわしく用意さ…

酒井穣「君を成長させる言葉」

…触れたことがある。 茨木のり子さんが、サン=テグジュペリ「星の王子さま」を 下敷きに書いた文章によって、 摘蕾(てきらい)という言葉を、覚えたきっかけとなった話である。一本のばらの花か、摘蕾か - 検索迷子 糸井重里さんについても過去にふれたことがある。 糸井さんが、吉野弘さんの詩「美しい夕焼けも見ないで」を 語っている、という内容だ。 美しい夕焼けも見ないで - 検索迷子 ブログを長く続けていると、 自分が活字として接点を持ち、好ましいと思う人たちは、 自分から情報を探しに…

茨木のり子「知命」(ちめい)

…介しているが、今日も茨木のり子さんの詩集から、 「知命」を紹介したい。 いくつかの結節点に添えられた手 茨木のり子(いばらぎのりこ)著、童話屋発行『おんなのことば』から、 今日は「知命」を引用します。おんなのことば (童話屋の詩文庫)作者: 茨木のり子出版社/メーカー: 童話屋発売日: 1994/08/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (46件) を見る 知命 茨木のり子 他のひとがやってきて この小包の紐 どうしたら ほどけるかしらと…

茨木のり子「問い」2編

…索迷子です。 先日、茨木のり子(いばらぎのりこ)著、『おんなのことば』から「六月」と「あほらしい唄」の詩を紹介したが、 今日は、「問い」を綴った一遍を紹介したい。 おんなのことば (童話屋の詩文庫)作者: 茨木のり子出版社/メーカー: 童話屋発売日: 1994/08/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (46件) を見る 同じ「問い」というタイトルの2編の詩が 本書を見て、驚いたのが「問い」という全く違う内容の、 同名タイトルの詩があった…

茨木のり子「あほらしい唄」

…索迷子です。 昨日、茨木のり子(いばらぎのりこ)著、『おんなのことば』から「六月」の詩を紹介したが、 今日は、七月を綴った一遍を紹介したい。 茨木のり子さんの詩集は、一通り目にしてきたと思ったが、 この詩集の編まれ方によって、今まで意識してこなかった点が2つが見えた。 一つは、何月かとか、数字を効果的に使った詩が多いということだ。 これまで単語の強さ、リズムの強さに目がいって、 数字の意味をあまり意識してこなかったのかもしれない。 数字という誰しもにとっての共通項をあえて使っ…

検索迷子、3周年

…で、ご紹介したい。 茨木のり子(いばらぎのりこ)著、『六月』だ。 学生時代の教科書でなじみのある方もいるかもしれない。 六月が終わったときに、という感もあるが、 今の気持ちを表すのに一番いいような気がして選んだ。 おんなのことば (童話屋の詩文庫)作者: 茨木のり子出版社/メーカー: 童話屋発売日: 1994/08/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (46件) を見る 六月 茨木のり子 どこかに美しい村はないか 一日の終りには一杯の黒麦…

苦しみの日々 哀しみの日々

…は、検索迷子です。 茨木のり子(いばらぎ・のりこ)さんの詩、 「苦しみの日々 哀しみの日々」をご紹介します。 苦しみの日々 哀しみの日々 茨木のり子 苦しみの日々 哀しみの日々 それはひとを少しは深くするだろう わずか五ミリぐらいではあろうけれど さなかには心臓も凍結 息をするのさえ難しいほどだが なんとか通り抜けたとき 初めて気付く あれはみずからを養うに足る時間であったと 少しずつ 少しずつ深くなってゆけば やがては解るようになるだろう 人の痛みも 柘榴(ざくろ)のような…

自分の感受性くらい

…自分の感受性くらい 茨木のり子 ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて (中略) 初心消えかかるのを 暮しのせいにはするな そもそもが ひよわな志にすぎなかった 駄目なことの一切を 時代のせいにはするな わずかに光る尊厳の放棄 自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ 茨木のり子(いばらき・のりこ)さんの『自分の感受性くらい』です。 この詩を知ってから、何度も何度も困難な局面でこの詩を思い返してきた。 そして、数え切れないほどの思いを描…

一本のばらの花か、摘蕾か

…て触れたが、 今日は茨木のり子さんの印象に残った詩について書こうと思う。 まずは、本についての詩集について補足しておく。本についての詩集 (大人の本棚)作者: 長田弘出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る 『本についての詩集』は、選者の長田弘さんによると、 その本の世界から誘いだされた詩と、 その本の世界へ誘いだす詩からなる、としている。 つまり、一遍の詩を読んだその人の感想であり、 そ…

倚りかからず(よりかからず)

…。 私はこれまで、 茨木のり子さんの詩集『倚りかからず』(注:よりかからず、と読みます)を、 何冊も購入してきました。作家の落合恵子さんがご著書のなかで、折にふれて紹介していたことをきっかけに、 愛読するようになりました。 倚りかからず作者: 茨木のり子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1999/10/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 64回この商品を含むブログ (43件) を見る 茨木のり子さんは、学校の教科書でおなじみの方もいるかもしれません。 wiki…