Webサイトの「よくある質問」の違和感

こんにちは。検索迷子です。


今日のお話は、
Webサイトの定番用語、「よくある質問」の言い回しに感じる、
サービス提供者から突き放されたような違和感という話、
です。


「よくある質問」って、なんだか上目線だと感じた。


無数にあるWebサイトには、「よくある質問」のページが多数あります。
今では、定番と言える用語になっていますが、私は未だにこの用語がしっくりきません。


十分にその意味するところはわかり、何が掲載されたページかはわかるのですが、
何回見ても、ちょっと嫌な言い回しだなと思います。


今日、このエントリーを書くのは、
用語一つでもサイトを使うお客様の気持ちが変わるのでは、という思いからです。
日本語ページの「よくある質問」が、全面的に変わるとは思っていないのですが、
こういう感じ方をする人がいるんだと読んでいただければと思います。


  • インターネットで初めて商用サイトを見たとき、私が実際に感じたこと。


商用サイトを使って何かを買おうとして、初めてサイトを訪問しました。
このとき自分は、「お店」の「お客さん」の気持ちでサイトを見ていました。
リアル店舗のときのように、
お客さん扱いしてくれるページの作りが当然だと思っていました。


サイトを閲覧していて、
たまたま疑問になった操作があり、解決できるページをサイト内で探しました。
すると、それらしき「よくある質問」ページを見つけました。


ん? このページみたいだけど、、、「よくある質問」って、、、。
私の疑問って、誰もが疑問に持つような、平凡でありきたりな質問ってこと?
みんなあなたと同じ疑問を持つんだよねー。
そんなこと、聞かれるのお見通しだよ、
はいはい、ここ読んどいてと言われたような気分になりました。


「よくある」って、誰にとっての「よくある」なのかは知らないけど、
私は、初めてこのサイトに来たお客さんで、初めて感じた疑問なのに、
初めましての私に対して、「よくある」で処理しないでほしいと思いました。


お店にとっては「よくある」でも、
私、今日が初めてなんですけどという気持ちになりました。
このお店、随分と上目線だなと思いました。


自分は、お客さんとしてお金を払おうとしているのに、
上目線な用語で、このお店はとても感じが悪いと思いました。
こんなに失礼なお店で買うのやめようかなという気分になりました。


あちこちで見るようになり、「よくある質問」は定番言い回しと気付く。


最初は、そのお店だけだと思っていたのですが、
「よくある質問」と言っているのは、
そのお店だけのことでも商用サイトに限定したものでもなく、
日本語サイトの大半で使われている用語とすぐにわかりました。


むしろ、どこのサイトでもその「よくある質問」ページがあるとわかり、
ああ、インターネットでは当たり前になってしまった言い回しなんだと思いました。


やがて、「そういうものだ」と思ってしまうようになり、
「よくある質問」の単語自体が「機能ページ名称」だと割り切ろうと、
利用者の一人として、いつしか学習させられてしまったようです。


「よくある質問」と書いていないサイトを見ると、好印象。


たとえば、楽天のページに以下の表記がありました。


このページしか探していないため、他の楽天ページがどうかはわかりませんが、
私は、日本最大級ショッピングサイトの楽天のページを見たとき、
さすが、お客様が大量にくるサイトは配慮が違うと好印象を持ちました。


そして、私と同じような感性で、
「よくある質問」という言い回しをしない人が、ここにいる!と勝手に思いました。

http://www.rakuten.co.jp/com/faq/
楽天市場Q&A
よくあるお問合せ


ただし、「質問」よりは「お問合せ」と表記がやわらかいものの、
「よくある」は、やはりそのままなのですよね。


「頻繁にいただくお問合せ」とか、
丁寧に言おうとすると、どうしても回りくどくなります。
冗長な言い回しを避けるためには、
「よくある」を今は使うしかないのでしょうか。


「よくある質問」は、提供者側が「よく聞かれること」なのに。


wikipedeiaによると、もともと「よくある質問」は、
「FAQ」を翻訳して使われた用語のようです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/FAQ
FAQの語は英語のFrequently Asked Questionsの略語で、「頻繁に尋ねられる質問」の意味である。日本語では「よくある質問」となっていることが多い。


この用語は本来は、
「サービス提供側がよく聞かれること」であり、
「利用者がよく疑問に持つこと」と同義ではないような気がしました。

結果的には同じかもしれませんが、
提供者にとっては、「しょっちゅう聞かれる」かもしれませんが、
利用者にとっては「そのときが初めて聞く」という状況のズレもあります。


翻訳をするとき簡略化したのかもしれませんが、それは推測にすぎません。
英語圏で始めたサービスをローカライズする際に、
機械的に訳してしまったのが、定着して今では習慣となったのかもしれません。


よくあることと、決めてかかってほしくない気持ち。


そして、最も言いたいのが、
「よくある質問」なら、質問させないようにサイトを作ってほしいということです。
よくあるというほど、頻繁に聞かれるなら根本原因を何とかしてほしい、と思ったりします。


「よくある」と普通に書いてありますが、
「わかりにくい」ページや機能があるのかと、意地悪に見ることもできます。
だから、よく聞かれてしまうのね、
しょっちゅう聞かれるからこのページがあるのねと思ってしまいます。


根本を直してほしいと書きつつ、
サービスの作り手だったこともあるため、
それが、優先度や人員により容易ではないと私は多少はわかります。


ただ、初めてのお客様の立場になると、
用語から受ける印象では、そういう気分になるような気がするという話です。


どのサイトにもある固有名詞化したような言い方でも、
インターネットが普及してきた今だからこそ、
「よくある質問」の言い回しの横並び感から、
もう少しお客様思いのやさしい表現が出てきてもいいように思います。



でも、もっと言うと、
「よくある質問」ページを見ないサイトが、一番いいサービスなのですよね。
ページ内のナビゲーションや説明だけで理解できて、解決できるということですから。
そういうストレスを感じない、お客様に調べさせない、
使いやすいサービスがもっと増えますように。



では、明日。またここで。


検索迷子